GEは新しいホワイトペーパーの日本語版を発表した。
新しいホワイトペーパーでは、再生可能エネルギー発電とガス発電の併用を戦略的に加速させることで、未来の低炭素社会への道を確保しつつ、気候変動対策を短期間で大きく進歩させられる方策を示すものになっている。
GEでは、すでに2030年までに事業全体のカーボンニュートラル達成というコミットメント、新規石炭発電事業からの撤退を発表している。この新しいホワイトペーパーはこのコミットメントにどのように現実的に対応するのかを示すものになる。
このホワイトペーパーのタイトルは「再生可能エネルギーとガス発電の加速的な展開により気候変動の早期抑制が可能に」。GEの数十年に及ぶ脱炭素化への取り組みに基づき、再生可能エネルギーとガスのいずれの電源も単独では不十分だが、うまく組み合わせることで、気候変動対策を大きく進展させるために必要な規模とペースで脱炭素化を実現できるとしている。
さらにこのホワイトペーパーでは、水素を含む低炭素(またはゼロカーボン)燃料や、二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)技術を活用することで、カーボンフットプリントの削減を可能にする様々な方法がガス発電にあることも解説している。
GEガスパワーCEOのスコット・ストレイジック氏は「気候変動は世界共通の喫緊の優先課題であり、GEは、数十年後ではなく今からより効果的に対策を実行できると考えています。ガス発電と再生可能エネルギーはどちらにも必要不可欠な役割があり、石炭からガスへの速やかな転換を世界規模で促していくとともに、低炭素またはゼロカーボンのガス発電技術への重要な役割となる手法の開発を続けていきます」 と述べた。
気候変動問題に対する速やかな対応と、世界規模で増大する電力需要の双方に応えるために、このホワイトペーパーでは、再生可能エネルギーの普及を支え加速させる補完的手段として、ガス火力発電のメリットを次のように紹介している。
このホワイトペーパーは、再生可能エネルギー、ガス、石炭、原子力といった発電方式の技術とそのマーケットの概要とともに、蓄電池の価格競争力を高めるために必要な技術革新にも触れている。
GEリニューアブルエナジーは再生可能エネルギー業界の持続的な成長のために最も重要なコストを引き下げるイノベーションへの投資を続けている。同社は先日、英国のDogger Bank洋上風力発電所の第1、第2フェーズに採用され、現在稼働する中で最もパワフルなタービンであるHaliade-X洋上風力タービンの定格出力を13MWに引き上げることを発表した。
一方、GEのガスタービンポートフォリオは、発電業界で他に例のない80年に及ぶガスタービン技術の知見を基盤としており、同社のHAガスタービン ―世界で最も効率的なガスタービンにして、改良を重ねるガスタービン― は、数度にわたり業界初を達成している。ガス発電によるカーボンフットプリントをほぼゼロまで削減するため、GEは今後もGEグローバルリサーチセンターと緊密に協力して、水素技術および炭素回収技術の研究開発への投資を続けていくとしている。
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