脱炭素社会の実現に向け、国も本腰を入れ始めた。脱炭素技術の開発支援をする総額2兆円の基金において、支援対象の公募が5月18日から始まった。公募が始まったのは次世代エネルギーとして期待される水素分野だ。支援額は最大3,700億円。
国は脱炭素社会の実現に向け、革新的な技術開発に取り組む企業を支援するため、2020年12月、総額2兆円の基金を設立し、18分野を支援すると表明していた。
2兆円基金の対象事業は次のとおり。
2兆円基金を管轄する経済産業省は、18分野のうち第一弾として次世代エネルギーとして期待される水素分野の公募をスタートさせた。対象テーマは「大規模水素サプライチェーンの構築」および「再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造」の2つだ。
大規模水素サプライチェーン構築では、液化水素を運ぶ運搬船などの大型化や水素を燃料にした火力発電のタービンなどの技術開発などを通じ、2030年に水素の供給コストを30円/Nm3、そして2050年に20円/Nm3の達成を目指す。
また再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造では、再エネ電気と水の電気分解によって、製造過程でCO2ゼロとなるグリーン水素を作り出す装置の開発や低コスト化を目指すというもの。
支援額は総額で最大3,700億円。公募期間は7月1日までで、支援企業は8月中旬にも決まる予定だ。経産省では洋上風力発電や次世代太陽光発電の開発など、残る分野の公募も順次、スタートさせる。
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