リコー、再生可能エネルギー使用率の2030年度目標を30%から50%に引き上げ 独自の再エネ電力総合評価制度を導入 | EnergyShift

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リコー、再生可能エネルギー使用率の2030年度目標を30%から50%に引き上げ 独自の再エネ電力総合評価制度を導入

リコー、再生可能エネルギー使用率の2030年度目標を30%から50%に引き上げ 独自の再エネ電力総合評価制度を導入

EnergyShift編集部
2021年03月05日

リコーは2021年3月2日、事業に使う電力における再生可能エネルギー比率の2030年度目標を、これまでの30%から50%に引き上げると発表した。

リコーはまた、2021年4月から2ヶ年の「第20次中期経営計画」のスタートにあわせて再エネ比率をESG目標に追加した。2023年3月までの目標を30%に設定し、従来目標を8年前倒しして取り組みを加速させる。

海外においては、2030年度までに主要な拠点における使用電力を全て再エネ100%にすることを目指すほか、課題となる国内拠点の再エネ率向上と質の確保に向けた施策として、新たに独自の再エネ電力総合評価制度を導入する。

この制度を活用して本社事業所(東京都大田区)で使用する電力を2021年度から100%再エネ化(CO2削減効果約2,000トン/年、再エネ電力量4.3GWh/年)する。

今回新たに導入する再エネ電力総合評価制度は、リコーグループが目指すべき社会として定義する持続可能な経済(Prosperity)、持続可能な社会(People)、持続可能な地球環境(Planet)の3つのPのバランスが保たれた社会(Three Ps Balance)に基づき、価格のみならず、新規の開発を促進する追加性のある電源であることや、環境負荷がより低いこと、地域社会が出資する発電所であることなどを総合的に評価するものとなる。

今後、国内で再エネ電力を調達することが決定した拠点では、この制度を用いて電力の調達先を選定する。

海外では、中国のサーマルメディア生産拠点である理光感熱技術(無錫)有限公司の使用電力を2021年度に100%再エネ化(CO2削減効果約6,500トン/年、再エネ電力量10.5GWh/年)するなど、自社で調達する再エネ電力の質と量を高めていく。

そして、これらの国内外の取り組みを通じて、コロナ後のグリーンリカバリーに貢献していく方針だ。

リコーは2017年4月に日本企業として初めてRE100に参加した。2020年3月には、地球温暖化に対する世界の潮流の変化を踏まえて環境目標を見直し、2030年の自社排出のGHG(温室効果ガス)削減目標を2015年比で従来の30%削減から63%削減に改定し、SBTイニシアチブの新基準「1.5°C目標」の認定を取得している。

「気候変動」は、グローバル社会が直面している最も重要な社会課題の1つである。リコーは今後も、自社での徹底的な省エネ活動と再エネの積極的な利活用を進めるとともに、ビジネスパートナーやユーザーにも協力を働きかけることで、バリューチェーン全体での脱炭素社会づくりに努めていく方針だ。

2020年度の主な再エネ導入の取り組みとそれによるCO2削減効果および再エネ電力量:

 CO2削減効果再エネ電力量
中南米12ヶ国の全22販売拠点のRE100化を達成約800トン/年3.0GWh/年
リコーチャイナのRE100化を達成約400トン/年0.6GWh/年
山梨電子工業のタイ生産拠点で太陽光パネルを導入し、自家発電を開始約450トン/年0.8GWh/年
Ricoh UK Products Ltd.において、太陽光パネルを新設約400トン/年のCO2削減に相当1.6GWh/年

※一部建屋を除く

編集部より:日本で初めてRE100に加盟したリコー。記事にもあるように、SBTイニシアチブの1.5℃目標の認定も取得している。計画を前倒しにする今回の発表では、国内拠点が課題とあるが、国内の再エネの量がまだまだ足りないということも影響していると思われる。

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