研究出版や情報分析の国際的企業であるエルゼビアは、世界のクリーンエネルギーに関する研究の現状について調査結果をまとめたレポート「ネットゼロへの道筋:クリーンエネルギー研究のインパクト」を発表した。これによると、日本の研究発表数は世界第5位、特許取得数は2014年に1位から陥落し、世界第4位となっているという。
今回の調査は、エルゼビアが提供している論文や書籍など文献データベースを活用したもので、2001年から2020年の間に発表されたものが対象となっている。温室効果ガス(GHG)排出削減分野の研究160万件、特許数80万件について分析を行なった。
分析結果は以下の通り
また、今回の調査結果に基づく懸念すべき傾向として、中国を含む「グローバル・ノース」(高所得国)の圧倒的な優位性に対し、「グローバル・サウス」(発展途上国)の研究発表数やインパクトの低さを指摘。グローバル・サウスの国々は気候変動の影響を受けやすいことから、こうした状況や憂慮すべきだとしている。
エルゼビアのバイス・プレジデントで東京在籍のアンダース・カールソン博士は「日本は重要技術の多くを有しているにもかかわらず、再生可能エネルギーへの転換が遅れており、化石燃料への依存が高まっています。日本はクリーンエネルギーへの転換には、技術開発を超え、より全体を俯瞰した取組みが必要であることを示していると考えられます。日本はすでにハイレベルな技術を持っており、レジリエンスが高く、これまですばらしい開発協力の実績を残しています。日本がこれらの強みを活かしたら、気候変動に大きく影響される国々を包摂し、より協力的な体制を実現するにあたって、大いに存在感を発揮できると信じています」とコメントしている。
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