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家庭の脱炭素をあと押し イオン、ZEHとEV向けローンなど提供

家庭の脱炭素をあと押し イオン、ZEHとEV向けローンなど提供

2021年07月15日

新築住宅への太陽光パネル設置義務化が議論されるなど、一般家庭が排出するCO2をどうやって減らすかに注目が集まっている。流通大手のイオンは、家庭の脱炭素をあと押ししようと、2021年9月から、脱炭素型住宅(ZEH)の新築・リフォームと電気自動車(EV)をパッケージ化したローンなどの提供をはじめる。

一般家庭から排出されるCO2は日本全体の約14%(2019年度)を占めており、脱炭素の実現は私たちの暮らしにも密接に関わっている。

政府は新築住宅への太陽光パネルの設置義務化を検討するなど、使用する電力の再生可能エネルギーへの転換や徹底した省エネによって、1年間のエネルギー消費量を実質ゼロ以下にできるZEH住宅の普及拡大や、自家用車のEV化を推進中だ。

しかし、政府試算でも太陽光パネルの導入コストは平均でも100万円を超え、家の断熱性能の強化には70万円程度かかってしまう。光熱費の削減や太陽光発電の余った電気を売ることで、12〜14年でもとはとれるとするが、決して安い買い物ではない。

野村総合研究所の調査によると、2019年度6.8万戸だったZEH着工数は、2021年以降、急激に拡大し年間10万戸を超えるが、それでも2030年の政府目標である累積313万戸の半分程度、159万戸にとどまると予測する。

EVに至っては、2019年度の販売台数はプラグインハイブリッド車を加えても3.7万台だ。

金銭的負担などの理由から、ZEH、EVともに普及が加速しないなか、一般家庭の脱炭素化をあと押ししようと、イオングループは今年9月からZEHとEV購入資金の借り入れが同時に申し込み可能なサービスの提供をはじめる。

また今年10月からは、イオンリテールの本州(東北除く)、四国の「イオン」「イオンスタイル」124店舗で、太陽光パネルや蓄電池、遮熱性能を持つ外壁塗装などを定額制で販売する。60回までの手数料無料の分割支払いが可能となり、資金面での負担を軽減することで、普及拡大を目指す。

2022年度には、EVを活用して一般家庭の余剰電力を地域で使う新たな取り組みもスタートさせる。

その取り組みとは、自宅の太陽光パネルで発電した電気をEVに充電して、イオンモールに行って再エネを放電すると、イオンからポイントがもらえるというもの。イオングループは、輸送手段の電化を目指す「EV100」にも加盟しており、2021年2月時点で国内外153の施設に、2,418基のEV充電器を設置済みだ。

これらEV充電器を通じて、一般家庭の余剰再エネを地域内で融通することで、地域の再エネ化、そしてEVの普及を支援したい考えだ。

EnergyShift編集部
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