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ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)、2019年度661件 過去最高を更新

ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)、2019年度661件 過去最高を更新

政府は2050年までのカーボンニュートラルに向け、営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)を含むソーラーパネルの設置拡大を進めている。このほど、農林水産省は営農型太陽光発電の統計情報を公開し、2019年度は661件となり過去最高を更新した。

営農型太陽光発電とは、農地に支柱を立てて上部空間に太陽光発電設備を設置し、太陽光を農業生産と発電で共有する取組だ。農業を続けながら太陽光発電を設置するため、農地を農地以外のものにする「農地転用」の必要がない。ただし、この場合は、⽀柱の基礎部分について⼀時転⽤許可が必要となる。作物の販売収入に加え、売電による継続的な収入や発電電力の自家利用等による農業経営の更なる改善が期待できるとして注目されている。

今回公開されたのは2020年3月末時点の統計データだ。農林水産省農村計画課調べによると、営農型太陽光発電設備を設置するための農地転用許可実績は累計2,653件、742haとなった。

2019年度の⼀時転⽤許可件数は661件、許可を受けた設備の下部農地面積は181.6haとなり、いずれも過去最高を更新した。

太陽光パネル下部の農地で生産されている農作物は、野菜等が34%、観賞用植物30%、果樹14%、米・麦が9%となっている。

都道府県別の営農型発電設備の設置に係る許可実績(累計)は、1位が千葉県で370件、2位が静岡県で367件、3位が群馬県で255件となっている。2019年度の単年度ベースの許可件数でみると、静岡県が103件となり、2位の千葉県72件、3位の群馬県59件を大きく引き離している。

一方で、近畿や九州の件数は一桁台に留まり、全体的に関東地方を中心に導入が増加傾向にあることがわかった。

荒廃農地を借受け、営農型太陽光発電に取組む中、省コスト、省力化を実現した事例もある。導入が好調な静岡県でお茶の生産を行っている株式会社流通サービスは、茶農家として全国で初めてソーラーシェアリングに着手した。同社は被覆栽培を行っていたことから、お茶はパネル下でも栽培可能なことや、改植・新植の際の未収益期間であっても売電収入を確保できることに注目。発電設備を茶の被覆のために使い、下部農地面積170aで茶を栽培し、発電出力782kWの太陽光パネルの設置を実現した。

従来、その農地で平均の8割以上の収穫量を保てることなどが確認されれば太陽光パネルの設置を認めるという規制が設けられていたが、2021年3月に荒廃農地での営農型太陽光に関して緩和され、導入のハードルが低くなった。

農林水産省は、再エネの導入を通じて、農山漁村の活性化と農林漁業の振興を一体的に進めていく考えだ。

参考資料

統計データ

営農型太陽光発電の事例

営農型発電設備の設置に係る許可実績(都道府県別)について

EnergyShift編集部
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