木質バイオマス発電プラントの企画・設計・施工などを手がけるテスナエナジー(資本金4,000万円、東京都、代表山本貴士氏)は4月28日、東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。負債は約14億6,100万円にのぼる。
テスナエナジーは2014年5月に木質バイオマスのガス化プラント事業の専業メーカーとして設立されて以降、木質バイオマス発電プラントの企画・設計・施工のほか、コンサルタント事業なども手がけていた。
主力事業の木質バイオマスのガス化発電事業は、木くずを1,200℃前後で炭化した後に炭と水蒸気を反応させて水素ガスを発生させ、その水素ガス中の水素と空気で水素ガスエンジンを駆動して発電するシステムであり、水素ガス製造が可能である点が大きな特徴となっていた。
信用調査会社の帝国データバンクによると、2019年3月期には約4億7,600万円の売上高を計上していたという。
2015年から北海道石狩市内で木質バイオマスプラントの実証試験をスタートさせていたが、2018年3月末予定のプラント竣工が大幅に遅延してしまう。建設費用などが膨らみ、竣工計画の変更を余儀なくされていた。さらに2019年度までの竣工を予定していた山形県内のバイオマスプラントも遅延するなど、厳しい経営環境が続いていた。
そうした中、2019年2月には、テスナエナジーが施工などを手がけていた山形県上山市内のバイオマス発電プラントで、試験運転中に負傷者1名を出す爆発事故が発生する。
たび重なる遅延と爆発事故の影響によって、2021年3月期の売上高は約1,300万円に落ち込み、資金繰りが悪化し、今回の措置となった。
帝国データバンクによると、負債は約14億6,100万円にのぼるという。
ニュースの最新記事