三井物産は2021年3月10日、同社100%出資の子会社を通じ、仏エネルギー大手トタル傘下の再生可能エネルギー発電事業者Total Eren S.A.と共同で、アルゼンチン南部で建設していた97.2MWの風力発電所が操業を開始したと発表した。今回の事業は三井物産にとってはじめてのアルゼンチンでの発電事業となる。
アルゼンチン政府は、国内の再生可能エネルギー供給率を2025年までに20%に引き上げる目標を持つ。この目標達成に向け、世界銀行の支援を受ける国際入札プロセス「RenovArプログラム」では、これまでに太陽光・風力・バイオマス・小規模水力などの発電プロジェクトが、すでに169件落札されているという。
三井物産が参画する今回の風力発電事業もそのうちのひとつだ。
三井物産は2018年12月、Total Eren S.A.より、アルゼンチン南部で風力発電事業を推進するVientos Los Hercules S.A.の株式34%を取得。ブエノスアイレス南西約1,500kmに位置するサンタクルス州ピコ・トルンカド市付近の350ha敷地に、総発電容量97.2MWの風力発電設備(3.6MWの風車27本で構成)の建設を進めていた。
総事業費は約220百万米ドル(約250億円)で、発電した電力は、20年間にわたりアルゼンチン卸電力市場運営会社であるCAMMESAに米ドル建てで売電する。
三井物産が日本および海外で運営する発電事業の持分発電容量は11GW(2020年9月末時点)で、そのうち再生可能エネルギーの比率は14%となっている。同社は中期経営計画で2050年のNet-Zero Emissionsを「あり姿」として掲げており、水力を含む再生可能エネルギー比率を2030年までに30%に引き上げる方針だ。
Vientos Los Hércules S.A.風力発電所在地
プレスリリース:アルゼンチン南部での風力発電事業の操業開始
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