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太陽光パネルの国内出荷量、前年比超えを達成も国産は海外勢に押される

太陽光パネルの国内出荷量、前年比超えを達成も国産は海外勢に押される

2021年12月01日

11月29日、太陽光発電協会(JEPA)は、2021年7~9月の太陽光パネルの国内出荷量が前年同期比約11%増の約141.8万kWとなり、6四半期ぶりに増加に転じたことを発表した。背景には、脱炭素の流れの加速による再エネ需要に加え、2020年の新型コロナウイルス感染拡大による、太陽光発電所の建設落ち込みの反動があるとみられている。

国内出荷の内訳をみれば、住宅向けのパネル出荷量は約24.2万kWで前年比約10%増、非住宅向けは同約11%増の約117.7万キロワットだった。非住宅向けのうち、大規模太陽光発電所(メガソーラー)は前年比約2%増となり、工場や公共施設など向けの太陽光が好調で同約35%増だった。近年は農地の上部空間に発電設備を設置するソーラーシェアリングの撤退が目立つほか、ゴルフ場の跡地などの大規模に太陽光を設置できるメガソーラーの適地が減少しつつあり、メガソーラーの伸び悩みにつながったと考えられる。

また、国内外を合わせた総出荷量は142.3万kWで、前年同期比106%ながらも海外出荷が前年比8%の5,000kWと大幅に減少していた。

また、モジュール総出荷量のうち、日本企業は 54.2万kW(前年同期比 98%)と前年同期を下回った一方、外国企業は 88.1万kW(前年同期比 112%)と前年同期を大幅に上回った。日本企業/外国企業で総出荷量比率を見れば、38:62となり、国内生産/海外生産の比は10:90 で国内勢が大きく押されている現状だ。

直近では、太陽光パネルの原料となるシリコンの価格高騰や電力不足による中国工場の稼働率低下によって、太陽光パネルが前年比3割高の高騰を見せている。パネルの不足が懸念されている中、安定出荷をどこまで維持できるか注目が集まる。

 

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