伊藤忠、都市ごみから水素・再生燃料の製造を目指す米新興に出資

８月23日、伊藤忠商事は都市ごみから水素・再生燃料を製造する米国のベンチャー企業に出資したと発表した。

出資先は米国ワイオミング州に本社を構えるRaven社で、伊藤忠に加え、石油大手の米シェブロン、燃料電池車メーカーの米ハイゾン・モーターズ、米ファンドの４社で共同出資したという。

Raven社は、製造時のCO₂の排出を最低限に抑えつつ、都市ごみから水素と一酸化炭素の合成ガスを製造する独自技術を持つ。この技術を活用する事で、これまで比較的扱いが難しかった都市ごみを原料とした、リニューアブル水素やリニューアブル燃料の高効率な生産が可能になると期待されている。

今回の出資により、米カリフォルニア州のごみ処理事業者と組み、埋め立て処理する場所の近隣にプラントが建設され、そこでレストランや家庭から出るごみや廃棄された木材などの都市ごみから１日数トン程度の水素が作られる予定だ。

ごみを密封して電熱で蒸す独自技術で、ガス発生時に出るCO₂排出量が抑えられる上に、酸素を使って燃焼させる場合と比べて製造コストも抑えられるという。

現在、再生燃料は廃棄された食用油などを使うことが多く、原料である油の争奪戦が激しくなっている。今回の出資を通じて、原料調達が多様化することが期待される。