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突然の訪問「この値段は今日限り」 家庭用蓄電池の勧誘トラブル急増、2020年度1,300件超え

突然の訪問「この値段は今日限り」 家庭用蓄電池の勧誘トラブル急増、2020年度1,300件超え

2021年06月07日

突然、事業者が訪問してきて「この値段は今日限り」などと家庭用蓄電池の購入を急かされたり、長時間勧誘されて、冷静な検討ができないまま契約するケースが増加している。全国の消費生活センターなどに寄せられる家庭用蓄電池に関する相談件数は急増しており、2020年度は1,314件にのぼった。国民生活センターでは、「突然の訪問を受けてもその場では契約せずによく検討してほしい」と注意喚起している。

2009年から始まった、住宅の太陽光発電の余った電気を買い取る「余剰電力買取制度」では、買取期間を10年と規定しており、2019年から買取期間が終了した、いわゆる「卒FIT」家庭が登場している。

2009年の買取価格は1kWhあたり48円だったが、11年目以降の買取価格は10円前後だ。一方、買ってくる電気料金は1kWhあたり26円程度と、むしろ電気料金の方が高い。

そのため、なんとか多くの電気を自家消費しようと、災害時にも役立つ蓄電池を購入する卒FIT家庭が増えている。

購入増加に伴って、蓄電池の購入や勧誘に関するトラブルも急増している。

2016年度325件だった相談件数は、2019年度に1,000件を超え、2020年度には1,314件となった。

トラブル事例には、事業者の突然の訪問をきっかけに「この値段は今日限り」などと購入を急かされたり、長時間勧誘され、その場で契約してしまうケースなどが目立つ。

また、太陽光パネルの無料点検と称して訪問してきた事業者に「売電するための装置の一部が壊れている」「太陽光パネルが破損している可能性が高い」「売電するための装置を修理するより、家庭用蓄電池を購入した方がいい」などど、嘘の説明で勧誘された事例もあるという。

さらに太陽光発電を設置していない消費者に対して、電力会社の関連会社を名乗る事業者から「電気料金が安くなる」と蓄電池の購入を唆されたケースもあった。

国民生活センターでは、「必ずしも余剰電力の売電より自家消費する方が経済的なメリットが大きいとは限らない。事業者名や目的などをしっかり確認し、その場で契約をせず、トラブルになったときには消費生活センターなどに相談してほしい」と注意を呼びかけている。

EnergyShift編集部
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