新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、東北電力グループの東北緑化環境保全、電力中央研究所など5者は12月1日、地熱発電所の建設・運転による周辺環境への影響について、効率よく調べる手法を事業者に促すガイドラインを公表した。
今回公表したガイドラインは、①地熱発電所の冷却塔から排出される硫化水素の予測手法の基本的な考え方に関するガイドライン、②地熱発電所におけるドローンを用いた樹木モニタリング調査手法ガイドライン、③地熱発電所の新設・更新に係る冷却塔から排出される蒸気による樹木への着氷影響に関する環境配慮ガイドライン、の3件。
これらのガイドラインを地熱開発事業者が活用することにより、環境アセスメントの円滑化や開発期間の短縮によるコスト低減効果などが期待される。
①のガイドラインでは、環境アセスメントにおける2つの予測モデルの適切な使い分けや予測・評価条件を明確化し、最適な数値計算を実施するための考え方を取りまとめている。これにより、アセスメント手続きを円滑に実施するとともに、予測評価に必要な期間および費用を低減することが可能になる。
②では、地熱発電所において、冷却塔から排出される硫化水素による植生への影響をドローンで撮影した画像から、迅速に確認する具体的な作業手順や分析方法などを取りまとめた。目視では判断できないわずかな樹木の活力の差も検出できることから、影響の有無をより詳細に把握することができる。
③では、冬季に冷却塔に着氷が発生する可能性のある範囲を明らかにする予測手法を提示している。樹木への着氷の発生リスクや影響範囲を把握することで、適切な環境配慮を検討することができ、地熱発電所運転開始後のモニタリング調査の軽減にも貢献できる。
ガイドラインを活用してもらうことで、地熱事業の推進を後押しする。
EnergyShift関連記事
ニュースの最新記事