国内ファッション業界においても脱炭素への取り組みが進んでいる。
8月20日、消費者庁と経済産業省、環境省が衣料品やファッション業界で脱炭素を進める会議の初会合を開いた。
会合では、温暖化ガス排出削減に向けて衣料品の製造段階から使う資源を減らしていくため、新たな指針をつくることを確認したと日本経済新聞は報じている。
経産省では、すでに衣服が長持ちし、リサイクルもしやすくなるよう指針策定に着手しており、ここに製造段階でのごみの削減やエネルギー、水資源の消費量を減らしていく視点も加え、業界団体へ対応を促すという。環境省は製造・流通段階での温暖化ガス排出量をより見やすくする枠組みをつくるとのことだ。
小泉進次郎環境相は「ファッションロス」の認知度アップが業界の後押しになるともコメント。ファッションロスとは、いわゆる衣装品の在庫焼却処分、廃棄の問題だ。
一方、民間の取り組みも進む。8月19日にはファッション・繊維関連企業11社が共同で「ジャパンサステナブルファッションアライアンス」を創設したと発表した。
ファッション産業が自然環境や社会に与える影響を把握し、「適量生産・適量購入・循環利用によるファッションロスゼロ」と「2050年カーボンニュートラル」を目指すという。
参加企業はゴールドウィン、帝人、東レ、ユナイテッドアローズなど。
ファッション産業は、CO2の排出や水利用などによる環境負荷や社会に与える影響が非常に大きい産業でありながら、自然環境への悪影響や、生産過程における労働環境の不透明性などが課題として指摘されていることが、今回のアライアンス創設の背景にある。
現在日本国内において、ファッション産業の環境負荷についての認識は低く、消費者庁が7月に行なったアンケートでは、ファッション産業の環境負荷について6割が「具体的に知らない」と答えたという。
最近活発化する国内ファッション業界における脱炭素化の今後の動向に注目したい。
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