アメリカ・ニュージャージー州50万世帯に電力を提供　オーシャン・ウィンド・プロジェクトにGEのHaliade-X 洋上風力タービンが採用発表

GEは、2019年秋にデンマーク企業オーステッド（Ørsted）が建設を発表した米国東海岸沖の風力発電所にGEリニューアブル・エナジーのHaliade-Xプラットフォームが使用決定したと発表した。

アメリカ東海岸・ニュージャージー州沖のオーシャン・ウィンド・プロジェクト

Haliade-Xプラットフォームとは、洋上風力発電のタービンで、現在稼働中のものとしては世界で最も強力なものになる。

GEリニューアブル・エナジーは今週、ニュージャージー州南部沿岸沖15マイル（約24キロ）の地点に建設される「オーシャン・ウィンド（Ocean Wind）」に関する供給・サービス契約がまとまったと発表した。

ニュージャージー州初の洋上風力発電プロジェクトで50万世帯分を供給

オーシャン・ウィンドが完成すれば、ニュージャージー州の50万世帯分をまかなえる電力を発電することができる。

GEリニューアブル・エナジーの洋上風力発電部門プレジデント兼CEOのジョン・ラベル（John Lavelle）氏は「オーステッド社が当社のHaliade-Xタービンに変わらぬ信頼を寄せてくださっていることに感謝しています。ニュージャージー州初の洋上風力発電プロジェクトに携われるのも大変うれしいことです。オーステッド社ともニュージャージー州とも、長期的な協力関係を築いていきたいと考えています」とコメントを述べた。

オーシャン・ウィンド・プロジェクトの場所　オーステッド ウェブサイトより

GEのHaliade-Xは１回転で家庭１日分の発電が可能

発電容量1.1GWを誇るオーシャン・ウィンドは、このところ増えつつあるGEリニューアブル・エナジーが携わる米国東海岸沿いの洋上設備の最新の一例となる。

同社は、米国初の洋上風力発電所となったブロック島プロジェクト（発電容量30MW）にも設備を供給している。ロードアイランド州ブロック島沖にあるこの風力発電所は、2016年に発電を開始している。

また、2020年12月には、マサチューセッツ州沿岸に建設予定の洋上風力発電所ヴィンヤード・ウインド（発電容量800MW）が、タービンの優先サプライヤーとしてGEリニューアブル・エナジーを選定したと発表した。

ロッテルダムにあるHaliade-Xプロトタイプ。Haliade-X 13 MWは１回転するだけで、米国の平均的な家庭の１日分の電力を発電できる。画像提供：GEリニューアブル・エナジー

Haliade-Xには現在MWごとにさまざまなタイプがある。タービンの大きさや寸法は全く同じだ。イギリスの北海に建設されるドッガー・バンク（Dogger Bank）風力発電施設には、13MWと14MWのタービンが導入される予定。

オーシャン・ウィンドにはHaliade-X 12 MWが導入される予定だが、13MWバージョンのオプションもある。Haliade-X 13 MWは１回転するだけで、米国の平均的な家庭の１日分の電力を発電できる。

オーステッドにとってのオーシャン・ウィンドは歴史の節目

オーステッド社にとってオーシャン・ウィンドは、同社の長い歴史における一つの節目となる。

ちょうど20年前、同社はデンマーク沿岸沖にタービン11基を備え、５MWを発電する世界初の洋上風力発電所を建設した。オーシャン・ウィンドはそこから大きく進歩し、発電容量は1,100MW（＝1.1GW）に達する見込みで、2035年までに洋上風力エネルギーによる発電量を7,500MWにするというニュージャージー州の目標達成の一翼を担うことになる。

オーステッド・オフショア・ノースアメリカCEOのデービッド・ハーディ（David Hardy）氏は「当社の米国における最大のプロジェクトの設備をGEから納入してもらうことになったのは、当社がHaliade-Xタービンの革新的な技術に信頼を置いている証です。再生可能エネルギーに関するGEの専門知識をニュージャージー州に導入することは、洋上風力産業の未来にとってもニュージャージー州にとっても追い風となるでしょう」と語った。

参照
GE:東海岸の風を集めて：GEのHaliade-X、ニュージャージー州の洋上風力発電所への供給締結 2021.1.27
Orsted:Ocean Wind