産総研は、今後は高変形性酸化物系固体電解質材料の充放電サイクル安定性およびイオン伝導率の改善と、活物質比率を現行の30%から50%に増加できる電極合材の複合化法を検討し、エネルギー密度の向上を図るとしている。理論上はもっといけるはず、というわけだから、その理論値に近づくところまで性能を上げていくということだ。これが実現できれば、現行の液系リチウムイオン電池すら性能で超えていくかもしれない。全固体なのに。
また、今回のフルセル試験の隔離層には硫化物系固体電解質材料(Li3PS4-LiI )を用いているが、これを酸化物系固体電解質材料に置き換えるため、酸化物系固体電解質材料のイオン伝導率改善および薄膜化も検討するとのこと。特に、酸化物系固体電解質材料を用いた隔離層では、その薄膜化が重要となる。
正・負極を組み合わせたフルセル試験構成およびその25℃充放電特性
出典:産業技術総合研究所
今後は、こうした課題で連携できる産業界のパートナーを探し、研究加速することで、全固体リチウム硫黄電池の早期実現を目指したい、というのが産総研の考えだ。
本当に、これは、世界で勝負できる技術だと思う。パートナー企業も早く名乗り出てきてほしい。これを軸に、日本の車産業にこの全固体リチウム硫黄電池を入れていく、そういう流れが起こってもいいのではないか。
もうオールジャパンで行くべきときだ。こうしたところから連携が生まれることを願ってやまない。
今日はこの一言でまとめたいと思う。
『全固体リチウム硫黄電池には夢がある』
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