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ホンダ、電動船外機の試作品を発表 バイクや小型重機との互換バッテリーで電動化拡大を狙う

ホンダ、電動船外機の試作品を発表 バイクや小型重機との互換バッテリーで電動化拡大を狙う

2021年11月22日

11月19日、ホンダが、小型船舶に装着する電動船外機の試作品を発表した。船外機とは船に装着する取り外し可能な推進機関で、今回の試作品では、エンジンとガソリンタンクをモーターと電池に置き換えた。

通常、船外機は船の後方壁に取り付けるが、ホンダの製品はその限りではなく、さまざまな形態のパワーユニットへの展開を念頭に「推進機」と称している。本試作品も「小型電動推進機」の名で製作された。

今回の試作品は、エンジン搭載の船外機に換算すると5~6馬力に相当し、レジャー目的のものなど、5人ほどが乗れる小型ボートを動かす出力を持つ。また、電動にしたことでカーボンニュートラルを目指すのは元より、低騒音・低振動・高トルクでの力強い加速など、ガソリンエンジンでは適わなかった性能も確認された。

電動推進機の航行性能については、予備の電池数次第だが、現時点では時速20kmほどで約40分の走行が可能だと報じられている。電源となるのは、簡単に取り外して交換できるバッテリーパック、Honda Mobile Power Pack(以下、モバイルパワーパック)だ。

ホンダはバイクやマイクロショベルなど、さまざまな製品の電動化も進めているが、同時に、それら異なる製品間での電池規格の共通化も進めており、そこに採用されるのがモバイルパワーパックだ。多種多様な製品間で、交換可能なモバイルパワーパックの採用により、電池切れの際も充電済のものに交換しやすくなり、充電網のインフラ整備にかかるコストも低くできる。環境整備の面からも脱炭素を推し進めていく狙いだ。

電動推進機の販売時期は未定となっており、価格設定や荒天での耐久性など課題を解決した上で早期の製品化を目指すと報じられている。

ホンダは、2050年までにHondaの関わるすべての製品と企業活動を通じてカーボンニュートラルを目指すとしている。2040年までに世界での新車販売はすべて電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)にすると発表しており、先述のバイクやマイクロショベルなどと併せて脱炭素に向けた取り組みをあらゆる事業で進めている。

創業者である本田宗一郎氏が「水上を走るもの、水を汚すべからず」の信念を掲げて参入したホンダの船外機事業だが、今後どれだけ革新的な取り組みを見せてくれるのか。ライフクリエーション事業の加藤稔本部長は「今後は電動化をはじめとしたさまざまな技術開発にチャレンジしながら、Hondaマリン事業の拡大に取り組んでまいります。」とその意気込みを語っている。

 

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EnergyShift編集部
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