丸紅は、企業単独では温室効果ガス(GHG)の排出量算定が難しいスコープ3の可視化に乗り出す。段ボールサプライヤー各社のGHG排出量を算出し、環境負荷や製品コスト、配送距離などの条件をもとに最適なサプライヤーや調達量をシミュレーションすることで、大手飲料メーカーのスコープ3排出量の削減を目指す。
サプライチェーンにおけるGHG排出量のうち、スコープ3はある企業の事業活動に関連する他社の排出を指すが、関連企業の数が多く、排出量を正確に計るには企業単独では難しいとされている。
こうしたなか、丸紅は資材調達に伴うGHG排出量の可視化と、環境負荷を考慮したサプライチェーンの最適化を実現するプラットフォームサービスの提供を目指し、段ボール調達を対象にした実証試験を8月5日から開始した。
実証試験は、スコープ3の中でも購入した製品・サービス(カテゴリ1)と輸送、配送(カテゴリ4)を対象に、丸紅が長年手がけてきた段ボール原紙製造および販売事業はじめ、商社機能などを掛け合わせることで、サプライチェーン全体のGHG削減を目指すというもの。
丸紅は今回の実証実験を2021年12月末に完了させ、検証結果を踏まえたうえで、他社および段ボール以外の調達資材へ展開する方針だ。
さらに、GHG可視化・最適化プラットフォームの共同構築を視野に参加企業を幅広く募るとともに、脱炭素経営につながる低炭素化技術やカーボンクレジットの提供など、さらなるサービス向上に取り組むという。
丸紅は2050年までにグループ内のGHG排出実質ゼロの目標を掲げており、スコープ3の可視化プラットフォームなどを実現することで、達成したい考えだ。
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