近年、各社で使用済みレアメタル、いわゆる都市鉱山を再利用する動きが再び活発になっている。
三菱マテリアルは使用済み家電や電子機器に含む銅やレアメタルなどの再利用を拡大するため、オランダの会社へ11億円投資すると10月21日の日経が報じた。投資先は、同社が2016年7月に新設したオランダ国北ブラバント州ムールダイクにある「MM Metal Recycling B.V.」というグループ子会社だ。
同社では基板の破砕・選別をしており、今回の投資で、同拠点の廃基板の受け入れ場所や輸送用コンテナの置き場所の拡大など設備増強をおこない、廃棄された電子基板の集荷量を6割高め、年5万トンにする計画だ。
JX金属は今年5月に設立したJX金属サーキュラーソリューションズの操業を10月から始めた。使用済みの車載用リチウムイオン電池に含まれるレアメタルを再び車載用電池の原料として使用する「クローズドループ・リサイクル」のための技術開発を進めるべく、生産技術開発および実証試験をおこなう。茨城県日立市の技術開発センター、ドイツ・フランクフルトの新会社と3拠点体制を組む。
世界的に鉄鋼、銅をはじめ、鉱山からの金属原料が枯渇している。リチウムなど、EV用の資源も足りていない。原料の一部はすでに高騰していることが、金属資源の再利用の活況の背景にありそうだ。
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