ソフトバンク、2030年温室効果ガス排出実質ゼロを目標に 脱炭素を目指す企業が増加 | EnergyShift

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ソフトバンク、2030年温室効果ガス排出実質ゼロを目標に 脱炭素を目指す企業が増加

ソフトバンク、2030年温室効果ガス排出実質ゼロを目標に 脱炭素を目指す企業が増加

EnergyShift編集部
2021年05月12日

通信大手のソフトバンクは2030年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標をまとめた。実現に向けて、再生可能エネルギーで発電された電力であると示す環境価値などを活用する。

ソフトバンクは2019年度時点で年間約68万トンの二酸化炭素を排出しており、排出量は一般家庭の約25万世帯に相当する。またソフトバンクが運用する全国約23万ヶ所ある携帯電話基地局で使用する電力量が、同社総電力量の半分以上を占める中、2030年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」を達成する目標をまとめた。

排出削減に向けては、基地局などで使用する電力の再エネ転換などを進めていく。

すでにソフトバンクでは基地局で使用する電力を子会社で新電力事業を手がけるSBパワーから、再エネで発電された電力であると示す環境価値を活用した実質再エネ電気を購入しており、2020年度末時点で約30%を実質再エネに切り替えている。

再エネへの切り替えをさらに進め、2021年度50%以上、2022年度には70%以上に引き上げる計画だ。

さらに基地局以外で使用するすべての使用電力についても、順次、実質再エネ電気へ切り替えていく。

また、ソフトバンクグループの子会社で再エネ事業を実施するSBエナジーが保有する太陽光発電所などから、直接調達することも検討していく。SBエナジーは一般家庭約33万世帯の年間消費電力量をまかなえる再エネ電源を保有しており、グループ企業の連携によって、実質ゼロを実現する方針だ。

2030年までに脱炭素を目指す企業が増加

再エネへの切り替えとともに、AI(人工知能)やIoTなどを最大限活用して、自社の施設・設備の省電力化を図っていく計画だ。

また、次世代電池の実用化に向けた研究開発も行う。ソフトバンクは今年6月に世界中のさまざまな次世代電池の評価・検証を行う「ソフトバンク次世代電池Lab.(ラボ)」設立予定である。新会社を通じて、次世代電池の実用化に向けた研究開発を推進し、再エネの普及拡大にも貢献したい考えだ。

国際社会が2030年までにSDGs(持続可能な開発目標)の達成を目指す中、日本でも早期の脱炭素化に取り組む企業が増えている。

ソフトバンクグループ傘下のヤフーは2023年度中の100%再エネ転換を目指している。楽天グループは2025年までに電力消費により排出される温室効果ガス排出量をゼロにする目標を掲げた。

またオリンパスは2030年までにグループ事業所から排出される二酸化炭素を実質ゼロにする目標をまとめている。

日本企業は、2050年にカーボンニュートラルを実現する日本政府の目標を前倒し達成することで、国際競争力の強化などを狙っている。早期の脱炭素化は業種を問わず広がっており、今後も加速する見込みだ。

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