日立本体だけでなく、サプライチェーンまで含めた脱炭素の取り組みをすすめるときに、今回取材したサステナビリティ推進本部はそのエンジン役として非常に重要になってくる。現在の課題はどこにあるのだろう。
「日立は事業が多いので、そのそれぞれの事業の中では、脱炭素との関わりもそれぞれ違う。そうしたセクションごとに脱炭素の意義を伝えることはやはり難しいです。サステナビリティは追加で何かをやってもらうことになるので、それ自体も含めて難しいですね」(日立サステナビリティ推進本部の長岡康範氏)
「日立は脱炭素に関しては比較的すすんでいる企業なので、ほかの参照企業が少ない。自分達でレギュレーションを作り、決定していかなければならない。そこは苦労する点です」(久保氏)。
日立は事業も多岐にわたり、グローバルにも展開している。だからからこそ、脱炭素の取り組みも一筋縄ではいかない。
サプライヤーに向けたサステナブル調達ガイドラインを見ても、電力だけでなく、人権や労働問題、生物多様性までを世界レベルで網羅している。
「世界の潮流はほんとうに速い。エネルギーだけでも状況はドラスティックに変わります。グローバルで展開している企業だからこそ、欧州など先進地域のキャッチアップが重要になってきます。そこが大変であり、楽しいところでもあります」(久保氏)。
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