報道では11月2日、日本は化石賞を受賞したとあるが、実はここが味噌だ。化石賞というのはCOP開催中、毎日発表されている。
日本は2日目の受賞で、ノルウェーとオーストラリアと一緒に受賞をしたが、いま述べたとおり、化石賞は毎日発表されており、執筆時現在9日目までの発表が終わり、ぶっちぎりで受賞をしているのはオーストラリアの4回だ。ついでアメリカが2回、COPの開催国であるイギリスも2回受賞している。
この点をそもそも報道機関がきちんと報道しないため、日本があたかも世界で最下位の脱炭素後進国であるかのような印象を受けるのだが、それはまったく違う。このあたりに関して、少なくともオンライン配信できちんと報道したのはNHKくらいではないか。
例えばオーストラリアは石炭の産出国だ。彼らも今回のCOPに合わせて苦渋の決断ながら2050年カーボンニュートラルを宣言して乗り込んできたわけだが、4回受賞する形となった。
また、この賞がどこまで信ぴょう性があるかというところもポイントになる。そもそも「なぜ中国が選ばれないんだ」という指摘は多い。2060年カーボンニュートラルを宣言したとはいえ、目下 CO2排出の最大国であり、2030年目標も非常に弱い。「まずは切り込むとしたら中国だろう」ということになるのだが、このNGOは共産圏には拠点がないので、中国、ロシアには切り込まないという説もある。どこまで本当かは分からないが、中国に切り込んでいない時点で、あまりフェアとはいえないだろう。
また、日本が今年、化石賞を受賞した日に、逆にCANが「Ray of the Day」と取組みを賞賛した国がある。
それはインドだ。日本の倍もCO2を排出していて、かつ、立てた目標が2070年カーボンニュートラル。受賞の理由にこれが世界の気候変動対策の機運にポジティブな影響を与えたと書いてあるが、「これを良くやった!」と評価して、「日本を下げる」点に関しては、さすがにおかしいのではないかと個人的にも思ってしまう。
CANの主張から日本の化石賞受賞は本当に正しかったのか分析・・・次ページ
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