宇宙で人類が活動するには、水や食料に加え、酸素や燃料となる水素、そして電気が欠かせない。それらを宇宙で製造しようと、JAXA(宇宙航空研究開発機構)とホンダが本格的な検証に入った。両社は太陽エネルギーで水を電気分解し酸素と水素をつくり、その酸素と水素から電気と水を発生させる「循環型再生エネルギーシステム」の構築を目指す。
酸素や水素、そして電気を地球からの補給に頼らず、宇宙で手にすることができれば、月や火星探査など、人類による宇宙活動は飛躍的に拡大する。
JAXAとホンダは2020年11月から、月面などの宇宙で酸素や水素、電気、そして水をつくり出す共同研究に取り組んでいる。
具体的には、太陽エネルギーを使って、水を電気分解し、酸素と水素をつくり出す。酸素は月を周回する有人拠点における呼吸用として使い、水素は月面を離発着する輸送機の燃料として活用する。
また、酸素と水素を使って燃料電池で発電し、有人拠点や移動用車両などへの電力供給を想定する。
両社は、ホンダが持つ高圧水電解技術と燃料電池技術を組み合わせた、「循環型再生エネルギーシステム」の構築を目指し、6月14日、本格的な検証を開始すると発表した。
ホンダは今回の共同研究を通じて、循環型再生エネルギーシステムの技術開発を進めることで、地上でのカーボンニュートラル実現にも応用させる考えだ。
またJAXAでは、本格的な月探査の実現に向けたミッションのほか、脱炭素社会の実現に向けて、衛星データを使い大気中のCO2濃度と経済活動を可視化するサービスなども手がけている。
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