住友金属鉱山は、使用済みリチウムイオン電池等の二次電池からニッケルとコバルトを回収・高純度化することにより、リチウムイオン電池の正極材料の原料として再利用できることを実証した。
また、独自のリチウム回収技術により、使用済み二次電池から銅・ニッケル・コバルト・リチウムを再資源化する新しいリサイクルプロセスを確立した。
住友金属鉱山では、二次電池やその製造過程で発生するスクラップに含まれる金属を電池材料として再資源化する、水平リサイクル(使用済み製品をおなじ製品に再生させること)に取り組んでいる。
同社が愛媛県に設立したパイロットプラントで新しく開発された手法では、使用済み二次電池などに含まれる不純物を安定的・効率的に分離させ、高純度のニッケル・コバルト混合液を回収することに成功。この混合液を原料として正極剤を作成したところ、電池性能は天然資源由来とおなじ性能を示したという。
また、従来は困難とされていた乾式精錬工程からのリチウム回収が可能な「可溶性スラグ」をつくり出すことにも世界で初めて成功。この独自技術をリサイクルプロセスに組み込むことで、使用済み二次電池から銅・ニッケル・コバルト・リチウムをそれぞれ再資源化することに成功した。
この技術は欧州委員会が2020年に提案した「欧州電池規則案」への対応を見据えたものになる。
世界中で希少金属の資源枯渇が問題となる中、特に使用済みリチウム電池の再資源化・資源循環に貢献できる技術として注目されそうだ。
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