2021年10月14日、三菱HCキャピタル株式会社は、米国の水素航空機用の水素貯蔵カプセルおよび水素パワートレインの開発を手掛けるベンチャー企業Universal Hydrogen(UH2)に出資した。また、UH2と水素バリューチェーン構築に向けた協業の覚書も締結した。
航空業界は世界全体のCO2排出量の約3%を占めており、気候変動対策が求められている。こうした中、国際民間航空機関(ICAO)や国際航空運送協会(IATA)では、脱炭素化の実現に向けて取り組んでいる状況だ。また、その一環として、電動航空機や水素航空機の開発、バイオジェット燃料や合成燃料など持続可能な航空燃料(SAF)の導入などが加速している。
こうした中、UH2は水素航空機用の水素貯蔵カプセル、および水素で駆動するパワートレインの開発に取り組んでおり、2025年までには水素バリューチェーンの構築と、既存航空機を水素で航空するゼロエミッション機の商用運行を目指している。
三菱HCキャピタルでは、今回の出資を通じて、航空業界における環境負荷の低減、および航空業界の持続的な成長に貢献していくとしている。また、UH2との協業を通じて、水素ビジネスの知見を深めることで、将来的には三菱HCキャピタルグループ全体で、水素の貯蔵や輸送、生産、グリーン電力供給を含む、水素バリューチェーンへの参画を図るという。
三菱HCキャピタルは、2021年4月に三菱UFJリースと日立キャピタルの合併により設立されたリース会社で、モビリティサービスや物流施設の管理・運営にとどまらない事業を展開していくことで、持続可能な社会の実現をサポートするとしており、今回の出資もその一環となる。
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