脱炭素社会の実現に向け、世界的なEV(電気自動車)シフトが起こるなか、タイヤ開発でEV性能の向上を目指すブリヂストンが、自社グループのCO2排出量も実質ゼロにしようと取り組みを本格化させている。2023年にはグローバルでの再生可能エネルギー比率を50%以上にする予定だ。
2021年3月、ブリヂストンの米国子会社は、サウスカロライナ州にあるエイケン工場に大規模な太陽光パネルを設置すると発表した。出力規模は2MW。200世帯以上の年間使用量に相当する電力を生み出し、年間1,400トンのCO2排出量を削減できるという。
欧州子会社の取り組みはさらに先をいく。同時期となる2021年3月に、欧州における全事業拠点で使用する電力の100%を再エネに切り替えた。
日本での取り組みも始まった。鉱山・建設車両用タイヤの旗艦生産拠点である下関工場に太陽光発電を導入し、順次、再エネ転換を進めていく。2023年には日本含めたグローバル拠点での再エネ比率を50%以上にする計画だ。
ブリヂストンは独自のタイヤ開発によって、EVの走行距離上昇など性能向上に向けた取り組みを進めており、フォルクスワーゲンや日産、レクサスなど採用を拡大させている。
世界的なEVシフトに合わせ戦略製品を転換させるとともに、自社グループにおける脱炭素にも取り組むことで、事業基盤を強化したい考えだ。
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