大手化学繊維メーカーの東洋紡は11月30日、岩国事業所(山口県岩国市)にある自家発電設備について、燃料を現在の石炭から液化天然ガス(LNG)および古紙・廃プラスチック類を主原料とした固形燃料のRPF( Refuse derived Paper & Plastic densified Fuel)に切り替えると発表した。
発電所は大阪ガス子会社のDaigasエナジーが運営し、東洋紡に電気と熱を供給する。今年11月にすでに着工し、2023年10月の稼働を予定している。
発電所の更新にかかる費用は約90億円で、燃料転換により岩国事業所の温室効果ガス(GHG)の排出量は、年間およそ8万トン削減できるという。
東洋紡は2050年度までにGHG排出量をネットゼロ(実質ゼロ)とするカーボンニュートラルの実現を目標に掲げ、生産活動に伴うGHG排出量の削減に取り組んでいる。
また、カーボンニュートラルの早期実現のため、CO2と水素から化学反応によりメタンを合成する技術(メタネーション)で製造する合成ガス、バイオマス燃料、アンモニア燃料、水素混焼、CO2回収・有効利⽤・貯留技術(CCUS)など、さまざまな次世代エネルギーや技術の導入に向け、同設備を利用した検証活動を進める。
同社の竹内郁夫社長は「一部の取引先からは脱炭素化の取り組みを示すよう求められている。ほかの事業所でも対応を進めたい」と話した。
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