フランスのEDFグループに属する原子力機器メーカーであるFramatome社が、原子力ではなく定期バス用水素ステーションを建設するという。原子力関連企業も水素事業を展開しているという点では、興味深いニュースだ。
フランス電力会社EDFのグループ会社で原子力発電関連機器メーカーのFramatome社は、ドイツのバス会社moBiel社とドイツ西部・ビーレフェルト市と共同で、水素を動力源とする市営の路線バス用・水素ステーションを建設する契約を結んだ。
Framatome社のCovalionチームが、この水素ステーションを設計、施工、試運転、および保守管理を行い、水素バスに水素を補給する。2021年12月に完成する予定だ。
Covalionチームは、Framatome社における電力貯蔵や再生可能エネルギー、水素エネルギーなどを専門に扱う。Framatome社からスピンアウトした形で独自の事業展開をしている。
一方、ドイツのバス会社、moBiel社は、ビューレフェルト市における電力・ガスを含む公益事業を展開するStadtwerke Bielefeld社のグループ会社で、交通部門を担っている。
今回の契約では、最初に4台の水素バスが導入される。バス1台あたりのライフサイクル全体でのCO2排出量はディーゼルエンジンのバスと比較して半分以下になるという。
Covalionチームは水素ステーションの輸送用ドッキングステーションから供給設備までを提供する。水素ステーションはモジュール式の構造になっており、moBiel社が水素バスを増加した場合にも容易に容量を拡張することができるという。
(Text:高森 徹夫)
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