地域新電力の需給管理代行などプラットフォームサービスを展開している、一般社団法人ローカルグッド創成支援機構は、国際的電源トラッキング「I-REC」の国内初実証を行う。再エネ電源を需要家と紐づけ、「追加性」のあるものにし、地域に貢献するものにしていくしくみだ。
I-RECは、The International REC Standard Foundationによって運営されている、再エネ電源のトラッキングを標準化するしくみだ。RE100やCDP等にも認められるものとなっている。今回、ローカルグッド創成支援機構は、The International REC Standardから日本におけるI-REC発行主体に指定されたことを受け、国内でのI-REC発行に向け、国際規格を踏まえつつ日本の制度に合致した認証方法等を確認するため、実証を開始する。ローカルグッド創成支援機構では、I-RECで電源と需要家を紐づけることで、地域共生型で追加性のある再エネを推進するという。
実証の背景となるのは、日本における再エネ利用の拡大だ。現在、気候変動や環境負荷の軽減を目的に世界的に再エネ利用が拡大しており、グローバル企業が取引先に再エネ利用を求めるなど、再エネ調達が国際競争力を左右する状況となっている。日本でも、使用する電力を100%再エネに転換することを目指すRE100企業は56社(2021年6月現在)に上る。
一方、欧州や米国などでは、再エネ電源をトラッキングするしくみが構築され、電力需要家が数ある再エネの中から、地域貢献型や追加性のある再エネ電源を選択し購入することが可能となっている。
現在日本では、政府において、再エネの環境価値を証書化した非化石証書のトラッキング実証が進められている。こうしたことから、I-RECでは、政府がトラッキングを実施していない非FIT再エネの相対契約分及び自家消費分(自己託送含む)を対象にするという。
今後、新規開発される非FIT再エネの多くは、小売電気事業者との相対契約や、自家消費(自己託送含む)となることが想定されている。これら「追加性」のある再エネをI-RECで見える化し、需要家の購入を促すことで、追加性のある再エネや地域共生型の再エネの価値向上が期待できるという。
また、国際的に認められたI-RECのトラッキングシステムのもと、ダブルカウントを排除した第三者による電源証明が可能となり、電源割当の信頼性が向上するということだ。
今回の実証プロジェクトは、表に示した地域共生型中心のプロジェクトでI-RECの発行を行う予定。スケジュールは、2021年7月~2022年3月に実証し、2022年4月以降、I-REC登録受付を開始する予定。
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