MacquarieのGreen Investment Groupとエネルギー大手企業のTotalが、韓国で初となる2GWを超える浮体式風力発電を開発する契約に署名した。開発サイトは5ヶ所に分かれており、2023年末までには最初の0.5GWの開発に着手する予定。
2020年9月1日、オーストラリア最大の投資銀行Macquarie傘下のGreen Investment Group(GIG)と、ヨーロッパの石油・エネルギー大手企業のTotalは、韓国の5ヶ所の大型洋上風力発電事業案件について合意し、50:50のパートナーシップ契約を締結した。
発電容量は2GWを超える可能性があるという。また、開発サイトは5つに分かれている。サイトは韓国東部および南部(蔚山道と南全羅道)の沖合に位置しており、すでに風況データの計測を開始している。また、GIGとTotalは、2023年末までに約500MW規模となる最初のプロジェクトの建設に着手することを目指している。
韓国は2019年7月14日に「グリーン・ニューディール」計画を発表しており、これによると2030年までに12GWの洋上風力発電設備を含め、電源構成の少なくとも20%に達する再生可能エネルギーを開発するという。
また、開発にあたって、韓国には造船事業の豊富なノウハウがあることなどから、政府の強い支援の下で、浮体式洋上風力発電の開発に大きな可能性があるということだ。
Totalの会長兼CEOであるPatrick Pouyanné氏は、「韓国での浮体式洋上風力発電事業への参入は、世界中で再生可能エネルギーを収益性の高い形で開発し、当社のネットゼロの野望に貢献するという戦略に沿ったものです。我々は、韓国における浮体式洋上風力発電の可能性を強く信じており、韓国の再生可能エネルギー目標の達成に重要な役割を果たすことになるでしょう。海洋プロジェクトにおける豊富な経験と、韓国の多くの造船所との協力により、TotalはパートナーであるGIG社と共に、韓国でのこの新技術の開発の成功に貢献できる立場にあります。私たちは、韓国との長期的な協力関係を拡大し、韓国のエネルギーミックスの多様化に貢献し、これらのプロジェクトのサプライチェーン内で韓国のコンテンツを最大限に活用することで、新たな産業部門の出現を支援したいと考えています」と述べている。
Totalは2050年までに売上高の最大40%を低炭素電力分野とする目標を立てており、現在、全世界で5GWの再生可能エネルギーを開発している。さらに2025年までには25GWの再生可能エネルギーを開発することが目標。
今回のパートナーシップは、韓国規制当局の承認などを経て、2020年秋に発効する見込みとなっている。
(Text:本橋恵一)
参照
TOTAL AND MACQUARIE PARTNER TO DEVELOP 2GW FLOATING OFFSHORE WIND PORTFOLIO IN SOUTH KOREA 2020.9.1
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