脱炭素社会実現の切り札とされるCCUS(CO2の回収・利用・貯留技術)と水素製造に関する技術開発が活発化するなか、海運大手の商船三井は、リトアニアで液化CO2の海上輸送や水素製造に乗り出す。
CCUSと呼ばれる温室効果ガスの原因とされるCO2を回収し、利用、あるいは貯留する技術や、燃焼時にCO2を排出しない水素は、脱炭素の切り札とされており、世界中で技術開発が進んでいる。
商船三井は、同社が出資する液化CO2専用船などの管理ノウハウを持つ、ノルウェーのラルビック・シッピング社(LS社)と、リトアニアで液化CO2の海上輸送や水素製造に乗り出す。
プロジェクト実現に向け5月27日、リトアニアのターミナル運営会社であるクライペドス・ナフタ社と共同検討に関する覚書を締結した。
リトアニアもまた脱炭素実現に向け、CO2排出削減に取り組んでいる。削減に向け期待するのが、CO2を回収し、利用、あるいは貯留する技術だ。
商船三井は2社と組み、リトアニアおよびバルト海沿岸諸国で回収された液化CO2の海上輸送などの事業化を目指す。また、燃焼時にCO2を排出しない水素に関しても、リトアニアの港湾ターミナルで製造することを検討していくという。
商船三井は2021年3月、欧州で産業向け液化CO2専用船の管理ノウハウを持つ、ノルウェーのLS社に出資し、液化CO2の海上輸送事業に本格参入した。今回のリトアニアなどでの協業を通じ、欧州はじめ、アジア、日本における液化CO2の海上輸送事業を拡大させたい考えだ。
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