日本ではあまり紹介されない海外のエネルギー業界最新ニュース。EnergyShift編集部が厳選してお送りする。
スリランカ発のEVスーパーカー VEGA EVX
カタールの800MW電力入札価格、太陽光発電の世界最安値0.01567ドル/kWhを記録
カタールの国営電力・水供給公社KAHRAMAAは、800MWの太陽光発電所のオークションにおいて、入札価格が最終的にQAR0.0571/kWh ($0.01567/kWh)となったと発表した。これは大口再生可能エネルギーのオークションでは史上最安値の入札価格である。入札価格はフランスのデベロッパーAkuo Energyがポルトガル初の太陽光オークションで打ち出した150MWの太陽光発電所に対する前の世界記録€0.0147/kWh ($0.016)を破ることになる。
Qatar’s 800 MW tender draws world record solar power price of $0.01567/kWh(pv magazine 2020/1/23)
米カリフォルニア、地熱発電がクリーンエネルギーへの解決策?
太陽光と風力に続き、長らく三番手だった地熱発電がカリフォルニアで再び成長しようとしている。地元のエネルギープロバイダー三社が、同州インペリアル郡およびモノ郡に、新たに出来た地熱発電所からの電力契約を締結した。この新地熱発電所は、カリフォルニア州では約10年ぶりの地熱発電施設となる。
地熱発電所は、太陽光や風力設備と異なりCO2排出ゼロの再生可能電力を生み出すという点でメリットが大きいが、導入コストの高さにより発展が阻まれていた。地熱発電設備は、同等出力の太陽光や風力発電所を建設するよりも数倍建設コストが高くなる可能性があるが、2045年までにクリーンエネルギー100%を目指す同州では太陽光や風力、蓄電だけでは賄い切れないかも知れず、地熱発電が(再び)信頼できる電源として魅力的になってきている。
仏Total、EV充電ネットワークを拡充
フランスの石油会社大手のTotalは、オランダに新しく最大20,000の公共EV充電スポットを導入、運用すると発表した。この契約により320万人の人口と、現在のオランダのEV充電需要の約15%をカバーすることになる。これはヨーロッパ最大のEV充電契約である。
契約の一部として、TotalオランダからEV充電ネットワークに供給される電力は、太陽光や風力発電など100%再生可能エネルギーから供給される。
イギリス、炭素税により石炭火力電力が93%減少
ユニヴァーシティ・カレッジ・オブ・ロンドン(UCL)の調査によると、2013年に導入されたイギリスの二酸化炭素排出税により、石炭電力は6年間で40%から3%に減少した。イギリスの石炭から生み出された電力は、2013年の13.1TWhから2019年の0.97TWhまで減少し、ガスのような、より排出が少ないエネルギーに取って代わられた。2015年に増税されるとさらに石炭電力は減少した。
British carbon tax leads to 93% drop in coal-fired electricity(PHYS ORG 2020/1/27)
スリランカ発のEVスーパーカー、VEGA EVX出展にあたり開示されたスペック新着情報
スリランカで3月に開催される2020 Geneva Motor Showにおいて、同国のスタートアップ企業ヴェガ・イノベーションズがEVスーパーカー、VEGA EVXを発表する。このEVスーパーカーについて、新たな情報が追加された。
スリランカでの量産バージョンは、長さ4.53m、幅1.99m、高さ1.22m、ホイールベースは2.85mある。 260L分のトランク容量があり、車両重量は2,090kg、その内バッテリーが占める重量は480kg。バッテリーパックは12モジュールから構成され、各モジュールには50個のリン酸鉄リチウム(LiFePO4)バッテリーが搭載されている。出力は540Vおよび40kWhで、250km圏内の走行距離は余裕でクリアする。CHAdeMOとCCS、両方の急速充電規格(120kW)に対応している。
Sri Lanka's Super EV: Here Are The Real Specs For The Vega EVX(INSIDE EVs 2020/1/23)
(執筆:EnergyShift編集部 柴田 奈々)