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国民生活センター及び消費者庁、経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会、電力・ガス取引について注意喚起を行う

国民生活センター及び消費者庁、経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会、電力・ガス取引について注意喚起を行う

2021年08月18日

8月13日、国民生活センター、消費者庁、経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会は消費者に対して、電力、ガスの契約について注意喚起の文書を発表した。今年1月から3月で相談件数が急増している。

2016年に電力、2017年にはガスの小売全面自由化が行われた。これに伴い、電力については小売自由化が始まった2016年から、ガスも同じく小売自由化が始まった2017年から国民生活センター及び各地の消費生活センター等に寄せられる消費者からの相談件数が伸びている。

相談件数

小売自由化から電気は5年、ガスは4年が経過した現在も多くの相談が寄せられていることが今回の注意喚起の背景にある。

ここで、実際に寄せられた相談事例をいくつか紹介する。

相談事例

  1. 市場連動型の電気料金が突然高額になった事例
    自営業であり、2ヶ月程前に従前の電力会社の電気料金が高額になったことがきっかけで、市場連動型の電力会社に契約変更した。ところが月に3万円程度だった電気料金が突然20万円の請求になり驚いた。価格が変動するとの説明は受けていたが、ここまで高額になることは聞いていない。

  2. 勧誘を受けていないのに契約が勝手に切り替わっていた事例
    契約中の電力会社から、契約先の変更に伴い、日割りの料金を請求するとの通知が届いた。心当たりがなく調べると、変更先はインターネット・電話・テレビを契約しているケーブルテレビ事業者だったが、この事業者から電話や訪問で勧誘を受けた覚えはない。

  3. 電気料金の支払先のみの変更と思ったが、契約先が変更になっていた事例
    契約中のガス会社の代理店が突然来訪し「現在契約中のガスと電気をセットにすると割引になる」と勧誘された。検針票を見せると、「月5,000円以上の利用なら、今より安くなる」と言われ、その場ですぐに夫名義で申込書に記入した。契約先は変わらずに電気料金の支払がガス会社にまとめられるだけだと認識していた。担当者が帰宅後、申込書をよく見ると、「電力会社が変更になる」との記載があり、認識と異なることに気が付いた。クーリング・オフは可能か。

  4. 電話勧誘を受けて断ったのに、その後しつこく勧誘を受けた事例
    大手電力会社から「電気料金が安くなる」と電話で勧誘を受けた。現在別の電力会社と契約しているので、新しい契約は必要ないと断ったが、その後も度々電話があり、先ほども別の者から電話があった。携帯電話番号のときもあれば無料電話番号の時もある。

  5. 新型コロナウイルスの影響による支払猶予に関する問合せの事例
    新型コロナウイルス感染の流行に伴い、電気料金の支払猶予を受けようと契約している電力会社に問い合わせたが、断られてしまった。電力会社によって支払の期限を延長してくれる場合としてくれない場合があるのか。

  6. 以前契約していた事業者から高額な請求がきた事例
    以前、A社と電気の市場連動型プランを契約しており、別会社に電気の契約を切り替えた。その後、以前契約していたA社から調達調整費という名目で高額な請求が届いた。

  7. 電力会社の社名を名乗らずに営業が行われた事例
    資料には「新電力事業者」とだけ記載されていて、具体的な事業者名は一切記載されていなかった。小売電気事業者や代理店等の説明もなかった。契約の詳細について他に連絡先となるような記載はなかった。

  8. 電気料金が安くなると勧誘があり、検針票を見せるよう促された事例
    「電気代が安くなる。検針票を見せてください」と訪問販売の勧誘があり、個人情報や供給地点特定番号を教えた。こんな勧誘は初めてで不安だ。

  9. 電気の契約先が変わる旨の通知が来た事例
    契約中の電力会社が、他の電力会社に事業を譲渡したらしく、来月から、新しい電力会社が契約を引き継いで、電気の供給をするとの通知が来た。契約の引継ぎを承諾しない場合には、引継ぎ先の電力会社に連絡をする必要があると記載されているが、どうすればよいか。この通知を信用してよいか。

このように様々な相談が寄せられており、これらに対して、国民生活センターや消費生活センターはアドバイスをしている。

支払猶予に関する問合せに対しては、経済産業省が各電力・ガス会社にコロナウイルスやスポット市場高騰の状況に配慮した柔軟な対応を要請していることなどを踏まえ、契約中の電力・ガス会社に相談するよう案内している。

検針票を見せるよう促されたという相談に対しては氏名、住所だけでなく顧客番号、供給地点特定番号など検針票の記載情報は重要な個人情報であるため、慎重に取り扱うよう注意喚起している。

ほかにもそれぞれの事例へのアドバイスが詳しく掲載され、トラブルの多さと対処法がわかる内容になっている。

EnergyShift編集部
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