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イーレックス、海外バイオマス発電所に参入 ベトナムで2024年開始

イーレックス、海外バイオマス発電所に参入 ベトナムで2024年開始

2021年09月14日

イーレックスがベトナムでバイオマス発電事業に乗り出すと9月11日付の日経新聞が報じた。同社が海外でバイオマス発電所を建設するのは今回が初めて。ベトナム電力公社(EVN)などと連携し、2024年に出力2万kWの発電所を稼働させる計画。新しい発電所はベトナム南部ハウザン省で2022年に着工する予定で、温暖化ガスの削減量を2国間で分け合う制度の活用も想定しているようだ。

イーレックスは、現在国内で5基のバイオマス発電所を運転しており、国内トップクラスだ。パーム椰子の種からパーム油を採油した後の残渣物(PKS)を主燃料としたバイオマス発電所を日本で初めて運転開始。燃料調達における安定確保に向けて、統括拠点子会社「erex Singapore PTE.LTD.」を2017年6月に設立している。加えて、マレーシアやインドネシア両国でPKSの集荷・製造事業に取り組み、バイオマス燃料供給の強化、拡大を推進してきた。

日経新聞によると、今回バイオマス発電の燃料にはベトナムの地元で生じるコメのもみ殻を使用する。2021年6月から同国で発電向けに品種改良した「ソルガム」と呼ばれる穀物の試験栽培を開始しており、固形燃料に加工された燃料の調達価格は従来に比べ3~4割削減されるという。

年間発電量は約1億2,000万kWhを想定しており、全量を現地の固定価格買い取り制度(FIT)に基づきEVNに売電する。

EVN傘下の電力コンサルティング会社PECC2とも、バイオマス事業に関する覚書を締結しており、発電所の建設に向けて、同社が設立した特別目的会社(SPC)に出資する予定だ。

EVNによると、8月の全国の電力生産量は前年同月比0.3%減の215億8,000万kWhで、1~8月は前年同期比5.4%増の1,732億2,000万kWhだったという。ベトナムの電力不足が懸念されており、政府をあげて再エネの開発を推進している。

イーレックスは2025年度中には香川県坂出市での運転開始を予定するなど、全国6ヶ所で出力総計約350MWを計画している。今後、ベトナムを始めとした海外にも事業ノウハウを広げる方針だ。同社の株価は9月13日時点で7連騰しており、注目度が増しているようだ。

EnergyShift編集部
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