ユナイテッド航空(米国シカゴ)は現地時間の12月1日、持続可能な航空燃料(SAF)を100%使用した旅客便をシカゴからワシントン間で運航した。同フライトの運航は、ボーイング社、CFMインターナショナル社、バイレント社、ワールド・エナジー社とのパートナーシップにより実現。100%SAFを使用した航空便を運航したのは航空業界初で、当日は100人以上の乗客が搭乗した。
同フライトは、同社の新型ボーイング737 MAX8の一方のエンジンに500ガロンのSAFを、もう一方のエンジンに同量の従来型ジェット燃料が使用された。SAFの使用は最大50%までしか認められていないが、同社は、2種類の燃料には運用上差がないとして、「今回のフライトが全エアラインのSAF使用拡大のきっかけになる」と述べている。
ユナイテッド航空は、SAFの使用と開発支援において世界をリードしており、同社の契約済みSAF購入量は、他のグローバルエアラインが公表している購入契約合計量の約2倍に相当するという。SAFは、石油ベースのジェット燃料と同等の性能を発揮するものの、CO2排出量は極めて微量だ。また、米国エネルギー省によると、SAFの米国内の原料資源量は膨大で、同国の航空業界全体の推定燃料需要を十分に満たすことが可能だという。
同社は2050年までに温室効果ガス排出量を100%削減するという目標を掲げている。脱炭素社会に向けて航空業界をリードしていけるか、注目が集まっている。
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