2021年7月は、記録上はもっとも暑い1ヶ月だった ―米国海洋大気庁発表 | EnergyShift

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2021年7月は、記録上はもっとも暑い1ヶ月だった ―米国海洋大気庁発表

2021年7月は、記録上はもっとも暑い1ヶ月だった ―米国海洋大気庁発表

2021年08月20日

2021年8月13日、米国海洋大気庁(NOAA)の環境情報センターは、今年7月は、これまで記録が残る過去142年の間で、もっとも暑い1ヶ月だったというレポートを発表した。

まず世界全体の海と陸を合わせた表面の平均気温だが、20世紀における7月の平均が15.8℃だったことに対し、今年はこれを0.93℃上回っていた。また、これまで最も暑かったのは2016年7月だが、このときの記録を0.01℃上回っている。また、陸地に限れば、平均よりも1.4℃も高い。さらに北半球の温度は、平均よりも1.54℃も高くなっている。

地域ごとに見ていくと、アジアは過去最高で、平均より1.61℃も高くなり、2010年の記録を上回った。また、ヨーロッパは過去2番目の高さだったが、平均より2.37℃も高く、とりわけ南ヨーロッパでは40℃を超える気温が報告された他、ギリシャでは最低気温として34.3℃が記録された。北米、南米、アフリカ、オセアニアもトップ10となる暑さだったという。

一方、降水量については、世界中で異常な降雨と干ばつが発生している。

米国北東部とカナダ西部、オーストラリア、南アジアと東アジアでは、平年を大幅に下回る降水量の地域があった。他方、米国北東部と南部、南米の北部、オーストラリアの南部、東アジアでは、平年を大幅に上回る降水量の地域があった。

異常な降水量となった結果、トルコやスペインでは破壊的な山火事が発生する一方で、西ヨーロッパの一部では記録的な集中豪雨が発生し、ベルギーとドイツで140名以上が亡くなっている。

東アジアはモンスーンが強くなり、降水量が増加、中国の河南省でも洪水が発生し、20名が亡くなっており、日本でも地滑りの原因となっている。

さらに、熱帯低気圧については、例年よりも発生数が多くなっている。

極地への影響として、北極圏の海氷は、2012年、2019年、2020年に次ぐ過去4番目の縮小となったことも示された。

こうした一連の異常気象について、先ごろ公表された、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第1作業部会第6次評価報告書の長期的な気候の変化にそったものになっているとしている。

NOAA長官のRick Spinrad博士は、「7月は通常、1年で最も暖かい月ですが、2021年7月は、これまでに記録された中で最も暑い7月としてそれ自体を上回りました。この新たな記録は、気候変動が地球にもたらした不穏で破壊的な道のりをさらに悪化させるものです」と述べている。また、IPCCの新しい評価報告書についても、「人間の影響が気候変動を引き起こしていることは明らかであり、その影響が広範囲に及び、急速に強まっていることを確認したIPCC報告書は、憂慮すべきものです」と述べており、今回のNOAAの環境情報センターによるレポートは、まさにIPCCが示す気候危機を裏付けるものとなったといえるだろう。


https://www.noaa.gov/news/its-official-july-2021-was-earths-hottest-month-on-record

EnergyShift編集部
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