EUが2035年にガソリン車などの新車販売を事実上、禁止する方針を掲げるなか、欧州のEVシフトが一段と加速している。2021年1〜6月までの新車販売台数648万台のうち、EV(電気自動車)が49万台を占めた。EVシェアは前年同期から3.3ポイント上昇し、7.6%となった。特にドイツなど5ヶ国のシェアは10%を超え、EVシフトが鮮明になっている。
欧州自動車工業会(ACEA)が7月23日発表した2021年上半期の新車販売台数によると、EVの市場シェアは前年から2倍以上増えた。その一方で、ガソリン車の後退がより顕著となり、2021年4〜6月期には市場シェアが10ポイント縮小し41.8%となった。
国別ではドイツが前年同期比で3.4倍となる14万8,936台でトップとなった。次いで英国が2.4倍の7万3,893台、そして1.6倍、7万2,519台のフランスが続いた。
EVシフトが一段と加速したのが、ドイツ、スウェーデン、オーストリア、アイスランド、ノルウェーの5ヶ国だ。ノルウェーのEV比率は57.3%となり、ダントツだ。アイルランドは20.5%となり、スウェーデン13.1%、オーストリア11.4%、ドイツ10.7%となった。
またオランダとスイスのEV比率は9.9%台となり、英国は8%台につけた。10%超えの国は今後さらに増える見込みだ。
EVシフトの背景には EUによる環境規制の強化や手厚い補助金政策とともに、欧州の自動車メーカーによるEV戦略がある。ダイムラーやジャガー、アウディなどはEV専業化を打ち出すなど、経営資源をEVに注ぐことで、さらなる普及拡大を狙っている。
ただし、欧州4大市場のひとつ、スペインのEV比率は2%にとどまり、ギリシャやポーランドはまだ1%台だ。欧州全体での普及には、EV車種の拡大とともに、EV車両の低コスト化が求められている。
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