日鉄ソリューションズは1月5日、小売電気事業者向けに電力取引・リスク管理サービス(ETRM:Energy Trading and Risk Management)を提供すると発表した。
同社の新サービス「Enepharos(エネファロス)」は、サブスクリプションモデルで初期費用を抑えながら導入することが可能だという。
電力需要予測値を基準に電力の調達量を判断するためのポジション管理機能や様々な将来シナリオから期間損失を推定するEaR(Earning at Risk)手法を取り入れたリスク管理の機能をリーズナブルな価格で提供する。2022年5月から開始する予定。
電力市場の価格は、季節や天候等により突発的な電力需要量の増加に伴い乱高下することがある。2021年1月には電力需要の急激な増加と天然ガス資源の在庫減少に伴い電力市場価格が急騰した結果、買値が売値を上回る逆ザヤが発生し、多数の事業者にとって大きな負担となった。
このような事態を踏まえ、経済産業省は2021年11月に地域や需要家への安定的な電力サービス実現に向けた市場リスクマネジメントに関する指針を発表。小売電気事業者にリスク管理の必要性を喚起している。
しかし、定量的なリスク管理を行うためには高度な数理的知見、大量の契約データ等の管理、運用人材リソースの確保などが必要となる。他方で、ETRMシステムの開発や導入には時間や費用がかかることが課題だ。
同サービスはエネルギー事業を手掛けるアストマックス株式会社の協力を得て開発を進めている。将来的にはリスク管理手法の高度化や管理可能取引の追加、電力に係るデータフィードサービスなど新機能の拡充を進める方針だ。
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