英国の航空会社、ブリティッシュ・エアウェイズは、bpと提携し、今年10月末から英国グラスゴーで開催されるCOP26(気候変動枠組み条約第26回締約国会議)の期間中、ロンドン、グラスゴー、エジンバラ間を運航する旅客機について、SAF(持続可能な航空燃料)で運行することを発表した。また、エアバスと提携し、使用する機体は燃料効率の高い最新機種のA320neosとなる。これにより、従来のジェット燃料と比較して、最大80%のライフサイクルCO2の排出削減になるという。
今回の取組みに合わせて、ブリティッシュ・エアウェイズでは、持続可能性を推進するプログラムとして、BA Better Worldをスタートさせた。航空会社が地球環境に与える悪影響に対応し、持続可能な未来を創造するための「これまででもっとも重要な旅」だという。サプライチェーン全体で廃棄物を削減し、2050年にはカーボンゼロにしていくというものだ。
また、持続可能性を示すカラーとして、水色を用いた新たな機体のデザインもつくられ、今回のA320neosにも取り入れられている。
SAFはこれまでのジェット燃料に対し、カーボンニュートラルとなる燃料で、バイオマス由来のジェット燃料となる。ブリティッシュ・エアウェイズの親会社であるインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は、bpとの提携を通じて、SAFの開発に今後20年間で4億ドルの投資を行っていくという。
ブリティッシュ・エアウェイズは、これまでにも脱炭素化への取組みを行ってきており、1992年には、CO2排出量を報告した最初の航空会社となった。また、2002年には、英国の排出権取引に参加した最初の航空会社となっている。一方、親会社のIAGも2019年には2050年カーボンゼロにコミットした世界初の航空会社グループになり、2020年には、ブリティッシュ・エアウェイズは国内線でのすべてのCO2排出量のカーボンオフセットを行っている。
今回の運行にあたって、ブリティッシュ・エアウェイズのCEO兼会長のSean Doyle氏は「bpとの新しいコラボレーションのおかげで、COP26への往復におけるお客様の移動に関連するCO2排出量が大幅に削減されます。この取り組みは、英国ですでに実施されている排出権取引制度や、英国国内線の自主的なカーボンオフセットに、さらに追加するものです」と述べている。
bpの航空部門のCEOであるMartin Thomsen氏は、「bpでは、航空業界の脱炭素化を支援したいと考えており、業界の利害関係者や政府と協力して、持続可能な航空燃料をより広くスケールアップするための実行可能なオプションを模索していきます」とコメントしている。
エアバスの上級副社長で、英国政府のジェットゼロカウンシルのメンバーであるJulie Kitcher氏は、「BAが業界の将来にとっての持続可能性の重要性を強調するためにA320neosの1つを選んだことを誇りに思います。この航空機は、A320ceoと比較して燃料の燃焼とCO2排出量が20%少なく、騒音も50%少ないので、素晴らしい選択です。私たちは協力を通じて2050年までに正味ゼロカーボン排出産業の野心を達成するでしょう、そしてこのイニシアチブはその明確な例です」と述べている。
この他、今回の運行にあたって、ディーゼル車両から再生可能な電動プッシュバック車両への切り替えや、使い捨てのプラスチックの廃止、アメニティキットなどについてのリサイクル素材から作られた製品のさらなる調達、英国および世界のコミュニティ内で行う積極的な活動を促進するためのBA Better World Community Fundも発表し、事業の他の多くの分野で積極的な行動を取ることを約束した。
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