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アイ・グリッド・ソリューションズ 仮想発電所プロジェクト始動 25万kWの太陽光PPA目指す

アイ・グリッド・ソリューションズ 仮想発電所プロジェクト始動 25万kWの太陽光PPA目指す

EnergyShift編集部
2021/02/01

アイ・グリッド・ソリューションズは2021年1月21日、太陽光発電における余剰電力を有効活用するため、「仮想発電所 デジタル推進プロジェクト」を発足させた。さらに非FITの再エネ電力を一般家庭に供給する「スマ電CO2ゼロ」の供給もスタートし、脱炭素社会の実現を目指す。

オンサイトPPA、2020年末までに110施設、2万3,000kW設置

アイ・グリッド・ソリューションズは2017年6月より、グループ会社VPP Japanを通じてPPA(電力購入契約)モデルによるオフグリッド(完全自家消費太陽光発電)電力供給サービスを開始している。FIT制度を利用せず、スーパーマーケットを中心に施設屋根に無料で太陽光発電設備を設置し、つくった電気を施設内の需要家に供給することで、設備投資費などを回収するモデルだ。

アイ・グリッド・ソリューションズの秋田智一常務取締役は、「VPP Japanのオフグリッドモデルは、発電量の全量が系統を介さず、施設内で消費されるため、再エネ賦課金を上昇させない、系統キャパシティを圧迫しない、新たな再エネを増やすモデル」だと解説する。

2020年2月には、みずほ銀行などから100億円の資金を調達するとともに、伊藤忠商事と資本業務提携を締結し、PPA太陽光の設置を加速させている。2020年末時点で、110施設に非FIT太陽光発電設備を設置・運用しており、出力規模は2万3,000kWとなった。秋田氏は「現時点で日本最大級のVPP敷設実績を持つ」と語る。

VPP Japanによると、スーパーマーケットや物流倉庫、ホームセンター、ドラッグストア、工場などへのオンサイト型PPAのポテンシャルは、420万kWあるという。同社はPPA太陽光を2024年までに約6%にあたる25万kWまで拡大させる計画だ。

アイグリッドグループ

アイグリッドグループ
アイグリッドグループ 記者発表資料より

余剰電力を集約し、地域内で循環させる

全国的な電力需給のひっ迫により、卸電力価格の高騰が騒がれている。しかし、自家消費型太陽光発電などの分散型電源は、 LNGなどの燃料価格に左右されず、災害時にも電力供給が可能となるため、日本においても、さらなる拡大が期待されている。

しかし、その一方で太陽光発電などの分散型電源には出力変動というデメリットがある。

いかに変動を調整し、かつオンサイトで消費しきれなかった余剰電力を有効活用していくか。アイ・グリッドでは、「仮想発電所 デジタル推進プロジェクト」を発足させ、AIやIoTなどのデジタル技術を活用することで、こうした課題を解決していく方針だ。さらに、オフグリッド発電所をつないで、あたかもひとつの発電所のように機能させるVPP(バーチャルパワープラント)の本格展開を目指している。

プロジェクトの目的は、分散型電源である再生可能エネルギーの発受電量をAIで分析し、余剰電力を経済的にアグリゲートし、集約した再エネを地域内で循環させていく。そうすることで、真の新しい電力プラットフォームを構築し、脱炭素の実現に貢献する、というものだ。

非FIT再エネ電源を一般家庭に供給する「スマ電CO2ゼロ」

実現に向けては3つのステップがある。

ファーストステップが、オンサイト型PPAから生まれる太陽光発電の余剰電力を集約し、一般家庭に供給する「スマ電CO2ゼロ」である。

アイ・グリッドではすでに家庭から法人企業まで約15万世帯に電力を供給するが、今回、新たに非FITの再エネ電力と非化石証書を組み合わせて、実質再エネ100%の電気を家庭に届けるという。

スマ電CO2ゼロは、2021年1月21日から申し込みをスタートさせており、イメージキャラクターには女優の「のん」を起用。電気代は、東京電力エナジーパートナーと比較して、年間約4,000kWhを使用する4人家族であれば、年間約5,000円安くなるという。

スマ電CO2ゼロ のん

スマ電CO2ゼロの提供にはもうひとつの狙いがある。

オンサイト型PPAは系統に流さないことが特徴だ。そのため、夏季休暇で1ヶ月電力消費量が減少してしまう学校や、休日などの要因で電力消費量が減る小売店、工場、物流センターなどの施設は、屋根全面に導入するのではなく、あえて太陽光パネルの設置枚数を減らすという対応をとってきた。

しかし、太陽光発電のさらなる普及には、施設が持つ屋根ポテンシャルを最大限活用することが重要である。そのためには、一般家庭など他の需要家に余剰電力を供給し、循環させることが必要だという。スマ電CO2ゼロの提供は、余剰電力の有効活用に向けた施策のひとつでもあるわけだ。

秋田氏は「2021年末までの契件数目標は1万世帯」だとし、今後、屋根ポテンシャルを最大限活用した太陽光パネルの設置が可能となることで、「少なくとも10万世帯程度の余剰電力を生み出すことができる」と語る。

アイ・グリッド・ラボがAI技術を推進

セカンドステップが、「余剰電力循環モデル」だ。

例えば、近隣のスーパーマーケットの屋根で余った電気を地域内の家庭に供給する。逆に家庭の屋根で余った電気を集約して、近隣のスーパーマーケットへ供給するといった、電力データをトラッキングして地域内で再エネを循環させるロードマップを描く。

しかし、太陽光発電は季節・天候によって出力が変動してしまう。また余剰電力も、天候による出力変動に加えて、施設内電力需要の影響により、電力量が変動する。こうした変動をいかに安定的に、バランスさせるかが重要となってくる。

アイ・グリッドは、2020年7月にアイ・グリッド・ラボを設立、変動電源である太陽光発電などの発受電をAIで予測しながら、予測技術をさらに高度化させていく計画だ。

最終的には、AIとIoT技術を活用し、余剰電力に加え蓄電池やEV、さらに需要家側にあるエネルギー消費機器を制御することで、ネガワットまで生み出し、送配電事業者に調整力を提供することで、さらなる収益化を目指すという。

「REAL New Energyプラットフォーム」ロードマップ


「REAL New Energyプラットフォーム」ロードマップ 発表会資料より

次世代モデル「コミュニティ型」とは

日本でも需要家サイト内に太陽光発電を設置し、自家消費するオンサイト型PPAが普及している。2021年以降、急増すると予想されるのがオフサイト型PPAだ。需要家サイト外に太陽光発電を設置し、自営線もしくは自己託送という形で電気を運ぶモデルである。

その次のモデルが「コミュニティ型」と呼ばれる卒FITなどのプロシューマーを束ねて、コミュニティ内で自家消費、そして余剰電力を融通するタイプだとされている。アイ・グリッドが最終的に狙うのはこのコミュニティ型である。欧州で普及が進むコミュニティ型が日本でも普及するのか。注目が集まっている。

(Text:藤村朋弘)

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