船舶部門の脱炭素に向け、川崎汽船と三菱重工業傘下の三菱造船は、CO2回収装置を石炭運搬船に搭載し、船上でCO2を回収する実証試験を本格化させた。洋上でのCO2回収は世界初。
川崎汽船と三菱造船は2020年8月から洋上におけるCO2回収に向け、実証試験に取り組んできた。
実証試験は2ヶ年計画で、利用するCO2回収装置は陸上プラント用のものを転用し、石炭運搬船から排出される排気ガス中のCO2を分離・回収するとともに、洋上環境下におけるCO2回収装置の操作性や安全性の評価などを実施するというもの。
実証に向けて、三菱造船主導で小型CO2回収装置の製造が進められてきたが、このほど完成。8月5日、川崎汽船保有の石炭運搬船に搭載したことで、実証試験が本格化した。
今後、石炭運搬船を運航させ、実際にCO2を分離・回収する。2社は2021年度末まで実証試験を行い、洋上でのCO2回収を実用化させたい考えだ。さらに回収したCO2はメタネーションなどの人工合成燃料の原料などへの応用も検討しており、船舶部門の脱炭素化に取り組む方針だ。
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