大成建設は12月1日、CO2排出量収支がマイナスとなるカーボンリサイクル・コンクリート「T-eConcrete/Carbon-Recycle」を、国内で初めて建築物に適用したと発表した。
同社は、主要な建設材料であるコンクリートについて、CO2の排出抑制と産業副産物の有効利用の促進を目的として「T-eConcrete」を今年2月に開発。高炉スラグなどを用いて、製造過程で発生するCO2排出量を大幅に削減する天然石材調建材「T-razzo」やトンネル用セグメントなどのCO2排出量削減に繋がるコンクリート2次製品を構造物へ適用してきた。
今回、2次製品工場で従来のコンクリート製品と同様の工程で製造した壁部材を、同社技術センター内に新設する実験施設内部の壁部材に適用した。通常コンクリートで壁部材を製造する場合のコンクリートのCO2原単位を試算すると274kg/m3となるが、同材料ではマイナス50kg/ m3となり、壁材全体としてのCO2排出量を約1.1トン以上削減できたという(図)。
CO2排出量収支マイナスとなる「ビヨンド・ゼロ」を具現化する建設材料として積極的な技術開発を進める。
図:コンクリートCO2原単位の比較
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