10月27日、KDDIとSBIホールディングス子会社のSBIインベストメントは、環境分野に特化した投資ファンド「KDDI Green Partners Fund」を共同設立すると発表した。二酸化炭素(CO2)排出削減など、カーボンニュートラル実現につながる、気候変動領域の技術を持つベンチャー企業に出資するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)となる。ファンド規模は約50億円、2021年11月から2033年11月までの12年間を運用期間としている。
KDDIは、「社会の持続的な成長に貢献する会社」を目標として掲げており、国連の持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みの一環として、カーボンニュートラルの実現を目指している。2020年5月には、2030年度のCO2排出量を「2019年度比で50%削減」とし、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにすることを公言している。KDDIはこれまでにも、「KDDI Open Innovation Fund」や「KDDI ∞ Labo」など、ベンチャー企業の支援やパートナー企業との共創によるビジネス開発を行い、先進的なテクノロジーを取り入れたオープンイノベーションに取り組んできたが、環境分野への出資は今回が初めてとなる。
SBIインベストメントは、SBIグループのアセットマネジメント(資産運用)事業の中核を担う企業。これまで、環境エネルギー分野やバイオ・ライフサイエンス分野などで活躍するベンチャー企業に投資を行ってきた。SBIインベストメントが運用しているCVCファンドの累積出資約束金額を合計すると、2021年10月時点で国内最大級の1,000億円超を誇る。
今回の共同出資は、SBIインベストメントがこれまでに培ってきたネットワークや企業育成の知見を活すことで、KDDIが掲げるCO2削減の目標を達成すべく手を組んだ形だ。
KDDI Green Partners Fundでは今後、CO2削減に直結するエネルギー領域に加えて、資源を有効活用する循環型社会の実現に取り組むスタートアップ企業にも投資を行っていく予定だ。KDDIが、大企業とベンチャー企業のどちらも巻き込んだオープンイノベーションで、CO2排出量削減を目指し、環境への負担軽減を持続的に行える企業へと大きく動き出した。
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