世界で脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進むなか、日本銀行も民間金融機関による気候変動対策への投融資を後押しするため、新たな資金供給を行う。海外の中央銀行が脱炭素に向けた金融政策を進めており、日銀も対応を迫られていた。
日銀は6月18日に開催した金融政策決定会合において、気候変動問題は、経済、物価、金融情勢にきわめて大きな影響を及ぼしうるとして、民間金融機関による多様な取り組みを支援する、新たな資金供給の仕組みを導入すると決定した。
金融機関が気候変動に対応する投融資をした場合、原資となる資金を供給する。脱炭素につながる企業の設備投資などが対象となる見込みだ。
素案を7月に開く金融政策決定会合で公表し、年内をめどに実施する予定だ。
海外の中央銀行も脱炭素対応に迫られている。
イギリスのイングランド銀行は、社債購入の条件のひとつに企業のCO2排出削減計画を加える方針だ。また、欧州中央銀行では、環境分野に資金の使い道を限った「グリーンボンド」の本格的な購入を始めるかどうか、今秋にも判断するとされている。
金融政策を担う中央銀行は脱炭素の取り組みを強化しており、日銀も対策を加速する考えだ。
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