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2030年に2010年比で温室効果ガスは16%増加 COP26へ向けNDCをとりまとめ

2030年に2010年比で温室効果ガスは16%増加 COP26へ向けNDCをとりまとめ

2021年09月22日

国連気候変動枠組条約の事務局(UNFCCC)は9月17日、各国のNDC(国が決定する貢献)をまとめた新しい統合報告書を発表した。それによると、パリ協定の締約国191ヶ国の現時点でのNDCをまとめると、2030年の温室効果ガス排出量は2010年比で約16%と大幅に増加する。

今回の報告書は、今年11月にイギリスのグラスゴーで行われるCOP26に向けてまとめられた。今年2月26日には暫定報告書が発表され、今回はその統合報告書となる。

今回は7月30日時点に登録されている164の国や地域のNDCから113件が選ばれてまとめられている。その中には86件の新規、または更新されたNDCが含まれる。

この113のグループのNDCをまとめたところ、2030年の温室効果ガスは2010年比で12%減少すると予測された。この113のグループのうち、70ヶ国が今世紀半ばまでのカーボンニュートラルを目標にしている。

IPCCの最新の報告書によれば、世界の平均気温を1.5℃上昇までに抑えるためには2030年45%減、2℃上昇までに抑制するためには25%の削減が必要だとしている。

一方、パリ協定の全締約国191ヶ国のNDCをまとめると、温室効果ガスは2010年比で2030年には16%増加することになる。IPCCによればこのような増加傾向では、今世紀末までに約2.7℃の気温上昇をもたらすという。

今後COP26に向けて、締約国はさらなるNDCの更新ができる。10月12日までに登録されたNDCを10月25日に改めて発表する予定だ。

COP26の議長であるアロク・シャルマ氏は「新たに野心的な気候計画を提出した国々は、すでに2030年までに排出量の曲線を下方に曲げています。しかし、すべての国、特に経済大国が行動を起こさなければ、これらの努力は無駄になってしまう危険性があります。私たち自身のためにも、脆弱な地域社会のためにも、そして将来の世代のためにも、私たちは行動することができますし、しなければなりません」とコメントした。

日本は今年4月、2030年の削減目標を2013年度比46%に引きあげたが、NDCへの登録はまだされておらず、今回の報告書には反映されていない。

EnergyShift編集部
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