塩化ビニールの大手である中堅化学のトクヤマは、今年秋に竹をバイオマス発電の燃料に使う実験を開始すると2021年9月5日の日経新聞で報じられた。
竹は国内に豊富に存在する資源であるものの、燃焼時の特性から一般にはバイオマス燃料としては不向きとされているが、同社は燃料の他、ノートなどの原料にも有効活用する。
同社は徳山製造所にある石炭火力発電設備4基のうち、1基を2025年度までにバイオマスの専焼プラントに転換する計画のようだ。
徳山製造所が立地する山口県周南市では、市が運営する 「木質バイオマス材利活用推進協議会」に参画しており、バイオマス実証事業や、県内の竹害問題に着目した竹資源の発電燃料への活用などにも着手している。
放置竹林問題は全国で深刻化している。竹製品がプラスチック製品などで代替されるようになったことで竹需要が激減し、その結果各地の竹林が放置されるようになった。竹は成長力が非常に強く、そこに生育する樹木の健全な成長を阻害させ、枯死させることもあるため、放置竹林の拡大防止と、伐採した竹資源を有効活用することが重要な課題となっている。
同社は竹林の管理に貢献するほか、気候変動対策などにも役立てたいとしている。竹を有効活用する企業の取り組みが竹林問題の解決につながることが期待されている。
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