2020年11月18日、古河電気工業はオンラインによる事業説明会を開催した。同社のエネルギーインフラ部門では、国内で拡大が見込まれる洋上風力発電に向けて、海底送電線の工場の拡充と、シェア50%以上という目標が示された。
古河電気工業のエネルギーインフラ事業は、送配電線およびその周辺機器が主な製品だ。売り上げ規模は、2019年度で1,145億円となり、電力関連と産業電線・機器がおよそ半分ずつとなる。2020年度はコロナ危機などの影響により、売上高120億円減、営業利益25億円減と予測しているという。
中期計画では、電力部門において、再エネ関連の成長を織り込んでいる。ターゲットとなる市場は、国内超高圧地中線、再エネ向けの海底線+地中線、そしてアジアをはじめとする海外向けの海底線だという。なかでも、今後拡大が見込まれる、洋上風力発電向けの海底線については、市場規模が2025年度には2020年度の3倍以上、400億円をうかがうものになると予測しており、地中線とともに、シェア50%以上を目指すとしている。
海底線については、国内で競合するのは住友電気工業のみだが、そのマッチレースに勝つという。
古河電工の強みは、この日説明にあたった、エネルギーインフラ統括部門長の小塚崇光氏によると、海底線事業における100年の歴史に加え、昨年6月に英国カーボントラスト社から受注した、浮体式風力発電向けの超高圧送電線(ダイナミックケーブル)の開発に対する技術的評価があるという。
さらに、2050年カーボンニュートラルに向けて、洋上風力はさらに拡大するとしており、併せてエネルギーを中心としたSDGs達成に向けた事業を展開していく。
海底線の技術開発については、主に長尺化を目指しており、6万Vの海底線であれば60~70kmまで可能だという。また、長尺化と製造能力の強化にあたって、工場の拡充も予定している。
事業説明会資料より
(Text:本橋恵一)
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