再エネ販売の新電力、みんな電力が4度目の資金調達に成功 累積調達額は41.5億円に 脱炭素社会に前進 | EnergyShift

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再エネ販売の新電力、みんな電力が4度目の資金調達に成功 累積調達額は41.5億円に 脱炭素社会に前進

再エネ販売の新電力、みんな電力が4度目の資金調達に成功 累積調達額は41.5億円に 脱炭素社会に前進

EnergyShift編集部
2021年05月11日

新電力の1社、みんな電力が4度目となる資金調達に成功した。5月7日、スタートアップの成長が最終局面を迎え、黒字経営が安定化するとされるシリーズCラウンドのファーストクローズで11.5億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、丸井グループ、SMBCベンチャーキャピタル、あおぞら銀行の3社。今回の資金調達により、累積調達額は約41.5億円となった。

丸井グループが3度目の追加投資

みんな電力は2011年設立の新電力会社だ。2016年の電力小売全面自由化後、発電した人の顔、発電した方法がわかるプラットフォームを開発し、電力ユーザーに電源(発電事業者)を選んでもらえる環境を整え、新電力事業を拡大してきた。

みんな電力はこれまで3度の資金調達に成功している。

2017年11月に、さらなる顧客を獲得するためシリーズAラウンドで、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、横浜キャピタルから1.8億円を調達。

2019年1月には、収益拡大を目指しシリーズBラウンドを実施し、TBSイノベーション・パートナーズ、SBIインベストメント、TOKAIホールディングス、セガサミーホールディングス、丸井グループ、電通の6社から11.8億円を調達した。

さらに2020年10月に実施したプレシリーズCラウンドでは、ディップのCVCや丸井グループ、日本政策金融公庫などから15億円の資金調達に成功。今回の資金調達が4度目となる。

これまで参加した投資家のうち、丸井グループは3度目、SMBCベンチャーキャピタルは2度目の追加投資となる。

とくに丸井グループとみんな電力は、2018年から資本業務提携を結んでいる。2020年9月にエポスカード会員に対し、再エネ電気の申し込みができるプランなどのプロジェクトを共同で開始。2020年10月に「みんな電力エポスカード」の発行をスタートさせている。すでに日本全国のエポスカードセンターで再エネへの切り替えが簡単に行え、さらにマルイ・モディ各店舗で「みんな電力の相談会」を開催し、再エネ発電所を紹介するイベント等も開催しているという。

再エネ電源の調達などに投資し、100万世帯の再エネ切り替えを目指す

みんな電力は今回の資金調達により、環境破壊を行うことなく地域創生に貢献できる電源や、卸電力市場の影響を受けない非FIT電源の調達などに投資するとしている。そのうえで、100万世帯の再エネ切り替えを一つの目標とし、社会全体の再エネの利用促進に取り組む方針だ。

一般的に資金調達のシリーズCラウンドといえば、スタートアップ企業の経営が黒字安定化する時期とされ、IPOやM&Aを検討し始める段階だとされている。

みんな電力の経営状況は、2020年3月決算において売上高57億円に対し、4億9,000万円超の最終赤字となっていた。今回の資金調達によって黒字転換するのか、注目されている。

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