日本ではあまり紹介されない海外のエネルギー業界最新ニュース。EnergyShift編集部が厳選してお送りする。
Rolls-Royce Power Systemsがベルリンにマイクログリッドセンターを設立 (2020/1/14)
なぜ薄膜太陽電池は欧米で収益化できないのか?
薄膜太陽電池は結晶シリコンに比べ2.5~3倍収益効率がよいが、欧米企業では製造技術のコストやオペレーションが課題となり、普及が遅れている。一方、中国では長期的かつ戦略的にこれに取り組み、他国の先を進んでいるようだ。今後は、米ファーストソーラーを筆頭に、米国企業の薄膜太陽電池の研究開発がさらに進展することが望まれる。
Why Europe and the US failed to capitalize on thin-film solar(pv magazine 2020/1/10)
オランダで太陽光プロジェクトの送電網接続が実施できないケースが増加
オランダの大手公益事業体Lianderによると、太陽光プロジェクトの増加により中圧系統が混雑している。その結果、太陽光発電や他の再生可能エネルギーの設備を設置できる地域が減っているという。LianderはFlevoland、Friesland、Gelderland、Noord-Holland と Zuid-Hollandなどの郊外で、すでに空きのない地域のリストを公開している。5年後にはLianderのサービス対応地域は6GWまで増加する見込みで、これは現在の送電網の6倍の容量になる。そのために系統接続を広げようとしているが、工事完了まで数年かかる見通しだ。
Rolls-Royce Power Systemsがベルリンにマイクログリッドセンターを設立
ドイツに本社を置くRolls-Royce Power Systemsはマイクログリッドとハイブリッドパワーソリューション企業である独Qinousの73.1%の資本を保有することになった。Qinousは世界中でBtoB等のマイクログリッドプロジェクトを手掛けてきた。Rolls-Royce Power SystemsはQinousのベルリン本社を自社のマイクログリッドセンターとして設立することを発表した。
ØrstedがREMAPをイギリスにおける柔軟な発電および収益最適化サービスのマーケティングエージェントとして指名
デンマークの電力会社 Ørstedは英REMAPとの提携を発表した。REMAPはØrstedのバランシング・メカニズム・アルゴリズムの知見を使用するライセンスを取得。これにより、REMAPはバッテリー貯蔵の収益モデルを各社に提供できるようになる。ØrstedとREMAPの提携により、デベロッパーはプロジェクト設計段階から調達、契約、資金調達のステージまでのエンドtoエンドのサポートを受けられるだろう。
Orsted partners REMAP for third party battery optimisation services(Energy Storage 2020/1/14)
アメリカのEV充電スタンド、Electrify Americaが使いやすいと評判
一般的にEV充電器スタンドにはインフォメーションスクリーンがついているが、フロリダなどの強い太陽の元では画面を読み取ることが不可能だ。Electrify Americaのアプリを使えば、こうしたときでも簡単に充電ができるようになる。接続が悪くアプリが使えない場合は、スタンドについている電話番号にかければ、カスタマーサービスが対応してくれる。EVをすばやく充電できるElectrify Americaのサービスが拡大するようになると、テスラのスーパー・チャージ・ネットワークにも同様の利便性が求められるようになるだろう。
(執筆:EnergyShift編集部 柴田 奈々)