イギリスの大手エネルギー企業bpは2022年1月17日、オマーンのエネルギー鉱物省との間で、再生可能エネルギーとグリーン水素に関する戦略的枠組み協定(SFA)に署名した。これにより、bpはオマーンにおけるGWクラスの再エネ開発をサポートすることになる。
今回の合意では、bpはオマーンにおいて8,000平方kmの土地を取得し、風況や日射量の調査を行う。そのデータにもとづいてオマーンは再エネを開発し、グリーン水素を製造することになる。
今回の合意にあたって、bpのCEOであるバーナード・ルーニー氏は、「私たちはエネルギーに投資しているだけではありません。私たちはオマーンに投資して、インフラストラクチャを作成および開発し、地域のサプライチェーンをサポートし、この次世代のエネルギーリーダーの先駆けとなるために必要なスキルと才能を育成しています」と語っている。
一方、オマーンエネルギー鉱物大臣のモハメッド・アル・ルミー氏は、「これはオマーンの2040年のビジョンを実現するための重要な一歩です。bpと協力して、新しい世界クラスの太陽光および風力資源の開発を進めます。グリッド用の再生可能エネルギーを生成し、国内需要を供給し、世界の顧客に輸出するためのグリーン水素の製造に電力を供給します。過去50年間で、私たちは炭化水素の生産を進めてきました。今日の合意は、私たちのエネルギーの旅の次のステップ、つまり低炭素エネルギーハブとしてのオマーンの可能性を解き放つことを示しています」と述べている。
また英国の投資大臣であるジェリー・グリムストーン氏は、今回のプロジェクトについて、「クリーンな成長を通じて将来の繁栄に対する私たちの共通のビジョンを示し、英国とオマーン国との間のパートナーシップをさらに強化します」と述べている。
SFAの下で、bpとオマーンは、再生可能エネルギー戦略、規制、再生可能エネルギーハブの設立、地元の労働力の開発と再スキル化など、多くの分野で協力する方法も検討していく。
オマーンはこれまで、石油・ガス産出国としての実績を持っているが、気候変動問題に対応し、脱化石燃料を目指し、2040年ビジョンを策定している。今回のパートナーシップはこのビジョンを進めるものであり、オマーンを低炭素エネルギーのハブとしていくその一歩となるということだ。
一方、bpもこれまでオマーンの天然ガス事業の3分の1に参加しており、2021年からはオマーンの水素事業の団体であるHy-Flyにも参加し、実際に水素事業に取り組むなど、オマーンの脱炭素化を促進している。
署名する、オマーンのエネルギー鉱物大臣であるモハメッド・アル・ルミー閣下とbp中東担当の上級副社長であるスティーブン・ウィリス氏
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