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再エネ100%電力プランを徹底比較!

地球温暖化問題の緊急性が増している現在、再生可能エネルギーの普及が、世界の重要な課題となっています。そんな中、再エネで発電された電力を使いたい家庭や企業も増えています。一方、再エネを使っていることを売りにする様々な電気料金プランも現れました。

ここでは、「再エネ100%とは何か?」「再エネとFITの違い」「再エネ100%プランに切り替える時の注意事項」を解説し、再エネ比率が高い10社のプランをご紹介します。

「再エネ100%」とは?

再生可能エネルギーとは、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなどの自然界に常に存在しているエネルギーのことを指します。再エネ100%とは、供給する電気の全て(100%)を再生可能エネルギーによって発電された電気にすることです。再生可能エネルギーは、自然界に存在しているため、枯渇することがありません。また、発電する時にCO2などの温室効果ガスを排出しないため、環境に優しいクリーンなエネルギーとして世界的に普及が加速しています。

一方、石油・石炭・天然ガスといった化石燃料は量に限りがある上、エネルギーを生むときに温室効果ガスを発生させてしまいます。現在、世界の電力は化石燃料に大きく依存していますが、地球温暖化の大きな原因となっているため、再生可能エネルギーの主力電源化が世界的な課題となっています。

2016年の電力自由化以降、東京電力などの大手電力会社だけでなく、様々な企業が電気を一般家庭にも販売できるようになりました。様々な企業が小売電気事業を開始しましたが各社が提供する多様なプランの中に「再エネ100%」プランもあります。消費者も、より安いプランや、再エネで発電した電気を使ったプランなど、使う電気を自由に選べるようになりました。

ところで、どの発電所からの電気も同じ送電線を使って流れてくるので、再エネ100%といっても混ざってしまうのではないか、と考える方もいると思います。確かに、電気そのものはどこで発電しても同じ品質で供給されるので、区別はつきません。しかし、ある太陽光発電が1kWhを発電し、同じときにこの太陽光発電の会社と契約しているお客様が1kWhを使ったとしたら、「この1kWh分は太陽光発電の電気」とみなされます。一般的に、どこの電力会社と契約しても、同じ送配電線を使っているので、電力会社(供給側)と使う側(需要側)を一致させることで、その電力会社の電気を供給した、ということになっているのです。

「再エネ」の電気と「FIT」の電気の違いは?

次に「再生可能エネルギー」の電気と「FIT」の電気の違いについて解説します。

FITとは「固定価格買取制度」のことで、太陽光や風力といった再生可能エネルギーで発電した電力を、決まった価格で電力会社が買い取るという仕組みです。電気を高い値段で買うので、差額分は「再エネ賦課金」から支払われます。この再エネ賦課金は、私たちが支払う電気料金に上乗せされて徴収されており、2019年度は2.95円/kWhでした。

FITによって売電する再エネの発電所は、経済産業省より設備認定を受けています。そして、FITの認定を受けた発電所からの電気については、「二酸化炭素を排出しない」という環境価値が「再エネ賦課金」によって買い取られる、と解釈されています。つまり、FITでは、再エネの持つ環境価値を国民全体で共有しているということになります。

FITの電気を「再エネ」と表示する場合は、あらためて環境価値を追加することになります。こうしたことから、FITの電気をそのまま使う場合は、「再エネ」と表示することはできず、CO2を出さない電気ということにもなりません。しかし、再エネの発電所からの電気ですから「FIT」の電気と表示することはできることになっています。

一方、「再エネ」の電気という場合は、FITの買取期間が終了した発電所や大規模水力発電など、FITの設備認定を受けていない再エネ発電所の電気から供給される電気ということになります。再エネを積極的に利用したい企業にとっては、FITの電気はそのままでは「再エネ」と表示ことはできず、二酸化炭素削減にもつながらないので、再エネの電気を求める傾向にあります。
一般家庭の場合は、再エネを応援することで、日本全体の二酸化炭素削減につなげられるということを考え、FITの電気を使う家庭も多くなっています。

環境価値(グリーン電力証書・Jクレジット・非化石証書)について

FITの電気は、そのままでは「再エネ」と表示することはできませんが、「二酸化炭素を排出しない」といった環境価値を付け加えることで、「再エネ」ないし「二酸化炭素排出ゼロ」と表示することは可能です。日本では、環境価値として「グリーン電力証書」・「Jクレジット」・「非化石証書」の3種類があります。

グリーン電力証書は、再生可能エネルギーの電気の価値を「電気そのものの価値」と「環境価値」に分けて、「環境価値」を証書化したものです。
例えば、ある工場Aで太陽光発電を取り付けて自家消費したとしましょう。このとき、工場Aでは「二酸化炭素を排出しない」という環境価値は不要という場合は、この環境価値を「グリーン電力証書」として販売できます。この証書を別の工場Bが買った場合、工場Bで再エネを使い、二酸化炭素排出を削減したことになります。

Jクレジットは、二酸化炭素排出削減の環境価値をクレジット化したものです。
あるオフィスビルCで照明をLED化し、空調を入れ替えて二酸化炭素排出を削減したとします。このとき削減した分を、Jクレジットとして販売できます。オフィスビルDがこのJクレジットを買ったとすると、二酸化炭素排出を削減したのは、オフィスビルDということになります。グリーン電力証書と異なり、二酸化炭素排出削減としてそのまま使える一方で、電気と組み合わせても、再エネの電気と表示することはできません。

非化石証書は、元々は、再エネの電気の販売や、二酸化炭素排出削減のためではなく、別の制度のためにつくられました。
エネルギー供給高度化法という法律によって、小売電気事業者は、供給する電力の非化石電源(再エネと原子力)比率を2030年までに44%にすることが求められています。この目標を達成するために2018年5月、非化石価値取引市場が創設されました。最初に取引されたのは、FITの電気の非化石価値です。再エネ賦課金で負担している環境価値を、非化石証書として、販売するようになりました。

非化石証書を買えるのは、小売電気事業者に限られています。このFITの電気の非化石証書と、FITの電気を再び組み合わせることで、「再エネの電気」として販売する電力会社もあります。再エネの電気は、非FITの再エネ発電所の電気、ないしはFITの電気とグリーン電力証書か非化石証書を組み合わせによって供給されています。また、Jクレジットと一般の電気を組み合わせることで、二酸化炭素排出ゼロの電気として供給することもできます。

再エネ100%プランに切り替えたい 

地球環境にやさしい生活をしたい、地球温暖化防止に貢献したい、という想いから、再エネの電気を使いたいという方は多いと思います。ここでは、再エネやFITの電気を供給する電力プランをご紹介します。

全体的な傾向としては、FITではない再エネの比率が高いプランほど、料金も高い傾向にあります。その一方で、FITの電気を中心にしたプランは、大手電力会社よりも安くなっています。電力プランは、大手電力会社の供給区域ごとに異なっています。契約できる地域とできない地域があり、地域によっても値段が異なっています。気になるプランがあれば、リンクしてある公式サイトの情報を参考にしてください。なお、紹介する金額は全て税込みで、燃料費調整制度や再エネ賦課金は含みません。以下の10社を紹介します。 

  • ネクストエナジー・アンド・リソース(グリーナでんき)
  • 東京電力エナジーパートナー
  • 太陽のでんき
  • Looopでんき
  • ミツウロコグリーンエネルギー
  • 自然電力
  • 中部電力
  • 四国電力
  • みんな電力
  • パルシステムでんき

グリーナでんき

グリーナでんきの「GREENa RE100」は、日本で初めての100%自然エネルギープランです。自然エネルギー(FIT電気)とグリーン電力証書を活用することで、100%自然エネルギー電力プランを実現しています。「RE100」以外にも「スタンダート」があり、こちらは自然エネルギーの比率50%を計画し、なおかつ温室効果ガスの排出係数は0に押さえています。供給エリアは東北電力・東京電力・中部電力・関西電力管内で、それぞれ家族向けの「ファミリー」、事業所向けの「ビジネス」、工場等動力を使う施設向けの「動力」に分かれます。ここでは「RE100」のファミリーの料金をご紹介します。

  • 「GREENa RE100」ファミリーの料金表(2020年3月3日現在)
東北電力
エリア
東京電力
エリア
中部電力
エリア
関西電力
エリア
基本料金
(1契約あたり)
30A(30A未満含む)990円858円858円332円72銭(最初の15kWhまで)
40A1,329円1,144円1,144円
50A1,650円1,430円1,430円
60A1,980円1,716円1,716円
電力量料金
(1kWhあたり)
最初の120kWhまで18円58銭 19円88銭21円6銭21円12銭(15kWhから120kWh)
120kWhを超え300kWhまで25円33銭26円48銭25円54銭26円68銭
300kWhを超える分29円28銭30円58銭28円49銭30円49銭

*GREENa 公式サイトより

東京電力エナジーパートナー

東京電力エナジーパートナーの「アクアエナジー100」は水力100%とみなされるエコなプランです。水力発電所での発電量が、利用者が使用する電力量を常時上回ることをもって、水力100%とみなされます。供給エリアは東京電力管内のみです。

  • 「アクアエナジー100」の料金表(2020年3月3日現在)
基本料金(1契約あたり)10A561円
15A841円50銭
20A1,122円
30A1,683円
40A2,244円
50A2,805円
60A3,366円
電力量料金(1kWhあたり)最初の300kWhまで23円83銭
300kWhをこえ1kWhにつき30円57銭

*東京電力エナジーパートナー 公式サイトより

NTTスマイルエナジー

NTTスマイルエナジーの「太陽のでんき」は、8:00~16:00の昼間に限り、太陽光で発電された電力100%を供給するプランです。NTTスマイルエナジーは日本中の家庭や空き地で発電されている太陽光発電所と契約しているため、どこかの地域の天気が悪くても8:00~16:00の間は太陽光で発電された電力を安定して供給できます。16:00~翌8:00の夜間はエネットが保有するCO2排出量が少ない天然ガス発電を中心とした電力を供給します。また、支払った電気代の1%が、再生可能エネルギーの普及に活用されます。

料金プランには、「標準プラン」と「たっぷりプラン」があり、沖縄と離島以外の全ての地域で契約可能です。ここでは人口の多い東京電力エリアの標準プランの料金をご紹介します。その他地域の料金プランは、公式パンフレットをご確認ください。

  • 「太陽のでんき」東京電力エリア 標準プランの料金表(2020年3月3日現在)
基本料金(1契約あたり)10A286円
15A429円
20A572円
30A858円
40A1,144円
50A1,430円
60A1,716円
電力量料金(1kWhあたり)最初の120kWhまで19円88銭
120kWhを超え300kWhまで26円48銭
300kWh を超える分30円58銭
最低月額料金235円84銭

*NTTスマイルエナジー 公式パンフレットより

Looopでんき

Looopでんきに再エネ100%のプランはありませんが、2018年度の電源構成のうち26%が再エネ(FIT電気)でした。低価格でありながら高い再エネ比率の電力を使えるのが大きな特徴。供給エリアは沖縄・離島以外の全エリアで、全てのエリアで基本料金は0円です。
一般家庭向けの「おうちプラン」と事業所や商店向けの「ビジネスプラン」がありますが、ここでは「おうちプラン」の価格をご紹介します。

  • 「おうちプラン」全エリアの料金表(2020年3月3日現在)
北海道エリア29円/kwh基本料金は全エリア0円
東北電力エリア26円/kwh
東京電力エリア26円/kwh
中部電力エリア26円/kwh
北陸電力エリア21円/kwh
関西電力エリア22円/kwh
中国電力エリア24円/kwh
四国電力エリア24円/kwh
九州電力エリア23円/kwh

*Looopでんき 公式サイトより

ミツウロコグリーンエネルギー

ミツウロコグリーンエネルギーの「ミツウロコグリーンプラン 非FIT電気100%」では、再エネ100%の電力を供給します。全メニューを合わせた電源構成も、30%が再生可能エネルギーで発電された電力(FIT電気を含む)なので、再生可能エネルギーの普及に高い意識を持っている企業と言えるでしょう。
「ミツウロコグリーンプラン」の供給エリアは、東京電力管内のみです。(ミツウロコでんきの供給エリアは沖縄・離島以外の全エリアです)

  • 「ミツウロコグリーンプラン」東京電力管内の料金表(2020年3月3日現在)
基本料金単価10Aあたり286円
電力量料金300kWhまで23円64銭
300kWh超過分29円43銭

*ミツウロコでんき 公式サイトより

自然電力

自然電力のでんきプランには、自然エネルギー100%を目指す「SE100」、自然エネルギー30%を目指す「SE30」、 自然エネルギー3%を目指す「SE Debut」の3種類があります。
自然電力のでんきでは、グループが保有する太陽光・風力・水力発電所で発電された電力を供給していますが、電力市場から購入する場合もあるため、非化石証書を購入することで、目標達成を予定しています。SE100は、2017・2018年度にCO2排出係数ゼロを達成しました。
供給エリアは沖縄・離島以外の全エリアですが、料金体系が少々複雑です。詳しくは以下の画像と、公式サイトをご覧ください。

*自然電力のでんき 公式サイトより

中部電力

中部電力では、自社で保有する水力等の再エネ電源や固定価格買取制度の満了を迎えた顧客からの電力を供給する「CO2フリーメニュー」があります。供給エリアは中部電力管内のみですが、CO2排出係数0を実現できます。なお、再エネ100%とは謳っていませんが、水力で発電された電力が55%、水力以外の再生可能エネルギーで発電された電力が45%で、100%再生可能エネルギーです。「CO2フリーメニュー」の料金は、通常のプランに4.32円/kWhを上乗せした金額になります。

  • 「従量電灯B」+「CO2フリーメニュー」の料金(2020年3月3日現在)
基本料金(1契約あたり)10A286円
15A429円
20A572円
30A858円
40A1,144円
50A1,430円
60A1,716円
電力量料金(1kWhあたり)120kWh21円7銭
120kWhを超え300kWhまで25円54銭
300kWhを超える分28円49銭
最低月額料金258円50銭
CO2フリーオプション料金単価(1kWhあたり)4.32円

*中部電力 公式サイトより

四国電力

四国電力には再エネ100%の「再エネプレミアムプラン」があります。およそ99.5%が、四国電力で保有する水力発電で発電された電力で、供給エリアは四国電力管内のみです。

  • 「再エネプレミアムプラン」の料金表(2020年3月3日現在)
最低料金最初の11kWhまで822円80銭
電力量料金11kWh300kWh1kWh22円57銭
120kWhを超え300kWhまでの1kWhにつき29円19銭
300kWhを超える1kWhにつき32円70銭

*四国電力 公式サイトより

みんな電力

みんな電力には再生可能エネルギー100%の「プレミアム100プラン」があります。顔が見えるでんきとして、電力の産地や生産者の想いを知ることが出来るのが大きな特徴です。また、契約すると発電所見学ツアーや、再エネ等をテーマにしたセミナー、スポーツ教室に特別招待してもらえるといった特典もあります。供給エリアは、東北電力・東京電力・中部電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力管内(離島を除く)です。

  • 「プレミアム100プラン」の料金表(2020年3月3日現在)
基本料金
(140.4円/10A)
システム利用料従量料金
(1kWhあたり)
20A280.8円500円26円
30A421.2円
40A561.6円
50A702円
60A842.4円

*みんな電力 公式サイトより

パルシステムでんき

パルシステムでんきの2018年度の電源構成はFIT電気+再生可能エネルギーが78.8%でした。2019年度もFIT電気+再生可能エネルギーで72%を計画しています。
供給エリアは、東北・東京・中部電力管内で、電気料金は大手電力の従量電灯B・Cと同じです。例えば、現在東京電力の従量電灯Bを使用している場合、パルシステムでんきに切り替え後も同様の価格になります。詳しくは公式サイトをご覧ください。

おわりに

再エネ100%や、再エネを多く含むプランを利用することは、再生可能エネルギーの普及に貢献することになり、さらには地球温暖化の防止にも繋がります。まだ再エネプランの多くは割高になってしまいますが、世界では技術革新が進み、再エネによる発電コストがどんどん低減しています。

このまま低減し続けると、いずれは化石燃料での発電よりも再エネでの発電の方が、安くなる時が来るでしょう。既に砂漠地帯などの一部地域では、太陽光発電の発電コストが、化石燃料による発電コストよりも安くなっています。 今後、世界中で再エネが普及し、もっと身近になるはずです。先んじて再エネを導入することで、再エネの普及と地球温暖化の防止をリードしていきましょう。